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第73話 秋深し隣は何をする人ぞ

2011年10月17日 20:50

山はもう紅葉を過ぎて冬の気配すら感じられるようになった。まだ10月半ばだが、今年は短い秋だった。私はこの山で、秋が一番好きだ。この季節は、食べ物も空気も一番美味しいが、もうひとつ最高のものがある。色彩だ。どんな芸術作品も、あるいはどんなお花畑でも遠く及ばない鮮やかな色彩が、目に本当に美味しい。常識的な学説だそうだが、こういう鮮やかな色彩を見ていると、脳科学的に相当脳に良いらしい。よく晴れた日などは、その息を呑む美しさに圧倒され、私は、外を一日ブラブラしていても飽きない。あざやかな黄色と赤が中心になって奏でる色のハーモニーが、インスピレーションを刺激し、寝ぼけ気味の私の脳を、かなり蘇らせてくれる。そのせいなのか、実は別の重大な理由もあるのだが(後述)、なんだか私は、チューちゃん3号を(!)・・・という気にすらなってきた。これは、画期的な出来事だと言えよう。(私にはね)


話代わって、ドイツに住んでいる元妻から「紅葉の写真を送って」というメールが来た。何でもドイツでは、黄色ばかりで赤は無い(あまり無い?)そうだ。日本の紅葉が懐かしくなったのだろう。ぎりぎりまだ赤いのが残っていたので、早速何枚か撮って送った。今回のメールにも面白いエピソードがたくさん書かれていた。皆さんにご紹介できないのが残念だが、彼女のメールはいつもかなり面白い。「ドイツで暮らすアラフォー女の欧州珍道中」というタイトルで本を書けば、かなり売れるのではないか。ドイツを中心に、北はオーロラが見える北欧から南はスペインまで、現地で働いて稼いだお金(だからたかが知れているはず)で、どこまでも行くその勇気と、次々に出てくる信じられないような絶体絶命の危機を乗り越えるその英知?に、まるで冒険小説を読むようなわくわく感を楽しませてくれる。まして主人公は私と10年以上も夫婦だった誰よりもよく知る人物だから、その面白さ、リアルさは、格別だ。次号がいつも楽しみだ。 ・・・ (まあ、とにかく無事を祈る。ニュースにならないでね。)


前々回の話に登場した可愛い女の子と昨日偶然会った。実は一週間ほど前にも、ちょうど山に到着した時に偶然彼女と会っている。昨日は素晴らしい晴天に誘われて麓の湖まで降り、一周10km?ほどある湖をぶらぶらと一周し、湖畔の店で軽食を取って休憩し、その後近くのお土産屋さんでもぶらぶらし、さあもう遅いから帰ろうかとした時、普段あまり通らない道でばったり出会った。目が悪くて当初私は気が付かなかったが、彼女の方から「○○さん」とファーストネームで呼ばれた。「よく会いますね」と言おうとしたら、「お久しぶりです」と言われてしまった。これは見事に真逆だ。どちらが正しいのだろうか?その心理上の違いは?と、私はいろいろ哲学的に考察しだした。挨拶した瞬間考え込んでいる私を見て彼女は、顔一杯に広がっていた笑顔を少し曇らせた。それを見て私は、あわてて彼女に同調し、「そう、ひっさしぶり!○○ちゃん元気だった?」と尋ねた。目がよく見えないのでさりげなく顔を近づけ、彼女の顔をまじまじと見た。綺麗だった。今までと違って、少し化粧が目立った。自信に満ち溢れた若い頃なら、3度も偶然会ったこの日この時、一気にクロージングまでイってしまうところだろうが、今やくたびれたおっさんだから、そういうのは嫌われるのがオチだろう。私は自粛し、差しさわりの無い話をして「またね」と別れた。せっかくのご縁。なんとかお友達になりたいものだ。


こういう時かわいいワンコが側に居てくれると、それはそれはもう、最強の援軍になるのだが・・・。 そうか、そうだ、やはりそうなのだ。やっぱりオイラには、ワンコが必要なのだ。私はさとったぞ!(・・・チャンチャン。)


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赤は少ないがところどころ鮮やかな赤がある。晴天によく映える。

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山の上り下りまで含めると少々きつい湖一周コース。しかし気持ちがいい。

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そこに鮮やかな赤が

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撮影は全て携帯電話(スマートフォン)。一眼レフカメラが欲しいが持ち歩くのが邪魔

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ひとりぼっちの、寂しい帰り道。

「 秋深き 隣は何を する人ぞ 」・・・言うまでもなく芭蕉が死の床に臥す少し前に書いた有名な句だ。その物語については検索で。 句の解釈については、各々が、感じたまま、素直に読むのが宜しいかと思う。「き」を「し」としたのは、よくある「あやまり」とされるが、これも好き好きだろう。「意味が大違いになる」という人もいるが私はそうは思わない。そもそも日本語のイントネーションは幅が広く、例えば九州と東北では大違いだ。たった一文字で芸術作品としての価値が変わるほどこれはヤワな作品ではない。題名にこれを使った理由?あの隣人は今何をしているのだろう、と私は思いをはせた。そして、私に興味を持った人に、今の私の事を自虐的に書いたつもりだ。 芭蕉さんごめんね。



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