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第64話 子育て体験

2011年08月22日 15:05

いやはや、大変な一週間だった。そして、最高に楽しい一週間だった。仙台に単身赴任している弟が夏休みで名古屋に帰省、その翌日に私の居る山荘に一週間の予定で遊びに来た。メンバーは弟夫婦と10歳と4歳の男の子の計4人。病院の関係で今年私は、なかなか山に行けず、弟達が来る前日にあわてて行った。夕方に到着、それから夜中の3時まで受け入れ準備と掃除、翌日も掃除、ひたすら掃除、そして草刈をしている時に到着の連絡、迎えに行っている間になんと雨、干してある4人分の布団が!!! 幸い少し濡れただけで済んだ。こんなドタバタから始まった一週間だった。嵐の予感!


私には子供がいない。理由は元妻だ。詳しい話は省略する。私自身も、動物達が可愛かったし、それほど欲しいという気持ちもなかった(そういう気持ちは、今や日本では絶滅危惧種の、弟や妹がいる3男坊等つまり大家族の真ん中の特徴らしい。その辺の解説も省略)。そういう事情で子供が出来なかったので、子供については経験ゼロ、知識ゼロの私が、自分の家に彼らを向かえ、一週間いったいどういう生活になるのか、犬や馬との出会い・生活とはどう違うのか、大きな不安があったが、強い興味もあった。結論から言うと、今さら遅いが、子供を作らなかった事を、後悔した。


4歳児はまだまだ発展途上で母性の庇護が必要な状況だったが、10歳児の方はちょうど父性の導きが必要な時期だったので、ウマがあった。私が様々な質問に答えると、彼は納得し、さらに知識を欲しがった。私は、科学の話、哲学的な話、等々、いろいろな話をしてあげた。そんな時、ある事件が起きた。ある遊具で、青い物と白い物があった。兄が青い物を選ぶと弟は青が欲しいと言い出した。いつもこんな調子だったのだろう、10歳児の兄は頑なに拒んだ。それでさあ大変、4歳児は青に拘り、ありとあらゆる手段を使って皆を困らせた。無視されると、絶叫して泣き叫んだ。欲望をまだコントロールできないし、思いやりや遠慮、ルールという概念もまだない。人的な欲望に目覚めてまだ間もないだろうから、突然現れたモンスターに、すでにそういったものを修得している10歳児の兄は、強烈な被害意識を持たされているだろう。私は、この青白事件で、後日彼の気持ちが落ち着いた適切な時期に、次のような話をしてあげた。


「4歳の頃は皆ああいう風だよ」「チビッ子、まだ脳が発展途上だからお兄ちゃん大変だね」「チビッ子よく食べるから将来必ず大きくなる。苛めると将来大きくなった弟に仕返しされるよ。俺は苛めなかったから今でも仲がいい。たぶん一生仲がいいだろう。お前たちはどうなるかな~」「チビは必ずお前の物を欲しがる。俺の弟もそうだった。だから俺は、青が欲しいときは白が欲しいと言い、弟が白が欲しいと言い出したら、え~~!と言いつつ、仕方がないからお前に白を譲ってやるよと言って弟に感謝させた。先日のように、めんどくさい事になった挙句、弟に怨まれるか、逆に、丸く収まって親からも褒められ弟からも感謝されるかは、お前の工夫次第だ。頭を使え」などと私は話した。この話は、遠まわしに、青に拘った事がいかに馬鹿馬鹿しい事で自分に損だったか、それに気付かせる狙いがあったが、気付いたかどうかは不明。しかし弟に向ける表情が、明らかに明るくなった。知能が4歳児よりも圧倒的に上位にある事に気付き、少なくとも、被害妄想はかなり解けたように見えた。


チビッ子の方は、まだ私の出番はない。この年代に必要なのは父性ではなく母性だろう。ただひとつだけやった工作は、平等だ。観察の結果、かなりそれに敏感だったので、一見またチビがイケナイ事をしたようで実は両成敗、という時を見計らって、まず弟の方をダメだしした後に、兄貴の方にもダメだしした。いつものように自分だけが叱られたと思い込み、不満タラタラの表情だったチビッ子が、平等によく見ていてくれて兄にもダメだししてくれた事に、よほどうれしかったのか、私に向かって、にっこり微笑んだ。その表情がとても印象的だったし、こんなにも大人をよく見ているのかと感心した。この辺のところは、動物の調教とは大違いだ。さすが人間。非常にダイレクトで、はるかにシビアだと思った。子育ての大変さが、ほんの少しだが、分かったような気がする。 ・・・ でもまあ、子育て奮闘中の皆さん、ま、開き直るべし。人間誰でも欠陥だらけ。子は親を見て育つ。それも人生。そこが楽しいのだ~気楽に行こう

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近くの牧場にて「4歳児」と。撮影者は10歳の兄


後半は弟(チビたちの親)が嫉妬するほどすっかりなじみ、毎日朝から晩まで楽しく遊んだ。

帰り際、車の窓から身を乗り出し、いつまでも、いつまでも私に向かって手を振っていた・・・。



超にぎやかな毎日から、超孤独な、静かな日々に逆戻り。

その日から、前日までより10℃も低い凍える雨の日々。

雨の音を聴きながら、久しぶりに酒を飲んだ。にぎやかなジャズのレコードをかけて。


聴いたのはこれ。カウントベーシーの、「ベーシービックバンド」

私が最も好きなレコードのひとつ。渋くて楽しい最高の名演。音も素晴らしい。ビックバンドが、まるで目の前で演奏しているような、とろけるような良い音がする。(CD盤も良い音がするかどうかは不明)



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