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第53話 犬の素晴らしさ

2011年06月07日 13:13

前話の続き。捕食動物と捕食される側の動物との相性など良いはずがないと思うのだが、チビッ子はあのチンチラを、「友達」と理解したようだ。そうでなければ前話のあの状況で、あのような結末になるはずがない。普通なら咬むか捕食するはず。あの事件は、あらためて犬の、あるいはドーベルマンの、知能の高さを感じる出来事だった。実はイシュもチビッ子も、その本能によって野ネズミを捕食した経験がある。お散歩コースの堤防には時々野ネズミが居た。当時ヨシが茂っていて暗くて危険だったせいか、堤防最下部にはほとんど人が居らず、部分的にリードを離して「フリー!」と宣言し(もちろん「コイ!」等の調教が出来ていた)散歩する事が多かった。ドーベルマンにとって野ネズミは、一番のごちそうのようだ。私の知る限り11年のイシュの生涯のうち2度、チビッ子も1度あった。いずれも見事な狩りだった。



あれはイシュが10歳ぐらいだったある日、かなり知能が高い敵が居て、イシュはじっくり30分ほどかけて追い詰め、最後は見事なフェイントをかけてゲットした事があった。大きなネズミだった。ネズミは犬に咬まれた瞬間にショック死するのだろうか、咬んだ0.5秒後には絶命したように見えた。美味しそうに食べ始めようとしたが、年のせいかあるいは相手が大き過ぎたせいか、一気に飲み込む事は出来なかった。若い頃にゲットした時は、同じような大きなネズミを、止める間もなくあっという間に呑み込んでしまったのだが・・・。 クチャクチャ咬もうとして気持ち悪かったので、この時はもちろん食べさせなかった。イシュにしてみれば、せっかく苦労してゲットしたごちそうなのに、お預けにされ、「えー!」と、プンプンしたことは言うまでもない。


チビッ子も一度、1歳ぐらいの時だったと思うが、同じような場所でゲットした事がある。通りかかった小さなネズミを物凄いスピードでゲットし、あっという間に呑み込んでしまった。よほど美味しかったのか、呑み込んだ瞬間パッと明るい表情になって、「パパ!こんなに美味しい食べ物ワタチ初めて!」という感じの、とてもうれしそうな顔になった。もちろんその日以後しばらくの間キス禁止になったのは言うまでもない。 そうだそう言えばこの時私は、怒ってしまったのだ。愚かな事をしてしまったものだ。いや、正しかったのか・・・おかげでチンチラ君が助かったのだから。でも、そのあと褒めすぎたか・・・。 と言うのも、後年山荘に野ネズミが出るようになったとき、なんとチビッ子、目の前をネズミが通っても、知らん顔なのだ! チューちゃんの役立たず!(ちなみに自宅は、周辺に凶暴な野良猫が居るおかげで、ネズミなど見たことがない。偉いぞ野良ニャンコ!)



いや、そうじゃないか。 
その頃チビッ子は、腫瘍で体の自由が利かなかったのだ・・・
あの状態で猫のような素早い動きが出来るはずがないじゃないか・・・



話を戻そう。さて、どうやってチビッ子はチンチラ君を、友達と理解したのだろうか。山荘の玄関に2つのゲージを用意し、留守番の時はゲージに入れた(私一人の時は、万一私に事故でも起きて帰れなくなった時の事を考え、けっしてゲージには入れなかった。玄関内に放し飼いにした。気休めかもしれないが、イシュもチビッ子もドアノブを開ける能力があったから、ゲージに閉じ込められたまま餓死するよりはマシだろうと考えた)。 彼らはゲージに入っている間、隣同士で何か会話でもしただろうか? 退屈しのぎに、互いに観察ぐらいはしていたはずだ。そしてチビッ子は、元妻や元妻が居ない間は私が、世話をしたり遊んであげたりするのを見て、チンチラ君を家族(群れ)の一員と認識したのだろう。あの時、あれがチビッ子ではなく猫だったらどうなっていたか。おそらくチンチラ君はアウトだったろう。家族などとは思わず、追い詰め、容赦なく本能を発揮したはずだ。



実は私は、どちらかというと猫派だった。結婚したら猫を飼いたいと思っていたぐらいだ。当時犬には、第10話で書いたような事情があって、むしろ嫌悪感を持っていた。ところが嫁さんが大の猫嫌いで(聞いてなかったから知らなかった!)、猫などトンデモナイという雰囲気だったので、泣く泣くあきらめた。逆にそれどころか彼女の希望で、(当時)犬嫌いの私が、「とっても恐ろしい猛犬」と新聞テレビ雑誌で大評判の、ドーベルマン!を、飼うことになってしまったのだ(今からおよそ20年前の話。当時ドーベルマンは、一般的にはとても危険な犬と思われていた)。よくもまあ、そんな状況で買ったものだ。そんな無茶を聞くほどラブラブの新婚だったのだろうか、あるいは言い成りの奴隷だったのか。まあ当時私の親兄弟皆犬を飼っていたので、その影響もあっただろう。飼ったら案外可愛いかも!と無理やり自分を納得させ、渋々承諾した。(でも、さすがに、いきなり猛犬ドーベルは無いだろ、せめて小型の・・・などとブツブツ言ってはいたが。まさかドーベルが、あんなに可愛くてオリコウだとは知らなかったし!)



猫好きの私は、時には残酷にも見える猫の本能や習性について、特に嫌悪感はない。もし何かあっても、猫だから仕方がないと思う。だが、このチンチラ事件は、あらためて犬を惚れ直すきっかけになった。私はこういうところに、他の動物には無い犬独特の素晴らしさ、いとしさを感じる。「あのチンチラは家族」と認識(!)、このような事は犬以外にはありえない。 また、何かに感動して、大きな図体の動物をギューっと抱きしめる、そんな快感を楽しめるのは馬か大型犬ぐらいだろうが、これが本当に気持ちいい。私は、感動して、「なんておりこうなんだ!」などと言いながら、ムギューっと抱きしめる事が、イシュやチビッ子で何度もあった。そういう時の彼らの反応や表情がまた非常に素晴らしい。とてもうれしそうにしてくれたり、あるいははしゃいでくれたりするのだ。 ・・・ これらは、愛犬家だけが味わえる至福の時だろう。 ワンコを、しかもドーベルマンを飼うきっかけをつくってくれた元妻に、私は感謝したい。 それがなければ、ワンコを(ましてドーベルを)飼う事など、無かったはずだ。 おそらく、にゃんこオジサンになっていたに違いない。


そうだ、猫とドーベルを飼えば、にゃんにゃん!ワンワン!にぎやかで楽しいかも!

ふ、独身じゃ無理か・・・

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これが問題のチンチラ君 なぜか時々私が面倒を見る事に

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苦手だったが、愛嬌たっぷりと感じる時もあった

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仲良しの二人

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ゲージに入れられ不満タラタラのチビッ子と、イタズラっ子チンチラ君の余裕の表情

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仲良しだった二人 奇跡的に残った一枚。写真を撮った事がバレ、このとき全て消去されてしまった・・・

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消去後撮ってくれた写真。チビッ子の可愛い写真がたくさん有ったのに! 当時はその価値に気付かず


ふ~、なんとなくこんな気持ち。ブラームスの子守唄。




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