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第48話 心の病による病死

2011年05月13日 02:03

今朝非常に悲しい報道があった。タレントの上原美優さんの訃報だ。24歳になったばかりの可愛らしい女の子。ご存知の方も多いだろう、貧乏大家族出身という飾ったところがないキャラクターの、母親思いの、とても親近感が持てる、私がもっとも好きな芸能人の一人だった。 ・・・ファンの一人として、実はこういう事態を心配していた。感受性が強く、芸能界でいじり回されるほどタフな神経はなく、にもかかわらずそういう扱いを受けることが多かった子だ。表情を見ていて、直感的に嫌な予感がした。今日の報道によれば彼女は、「(昨年亡くなった)お母さんの所へ行きたい・・芸能界はもう嫌・・やりたくない」と言っていたという。ああやはりそうだったのか、と私は思った。


テレビでもてはやされるセレブキャラとは真逆だった上原美優さん。VIPを気取る連中が多い業界人の間で彼女は、「ドン引き」され、「育ち」を見下されることが多かった。王様気取りの視聴者も、そういう人が多かっただろう。今でも思い出すと嫌な気分にさせられるが、ある番組で、セレブのお坊ちゃまお嬢様の集いに、プロデューサーの見え透いた意図で、生贄のように貧乏キャラの彼女が引き出され、上流社会の作法に疎い彼女に恥をかかせ、皆で嘲笑う露骨な企画があった。 ・・・彼女は動物ではない。同じ人間だ。ああいう扱いを受け、大勢の前で晒し者にされ、楽しかったはずがない。しかし彼女は、最後まで人間としての誇りを捨てず、毅然とした態度を取った。この陰湿なイジメ、ハラスメントに負けなかった。そんな彼女に、私は非常に感銘を受けた。その前から、たまたま見た彼女の過去のドキュメント番組で好きになって以来、いつも彼女を注目していたが、ここで私は、彼女に、ある確信を持った。後日その事が見事に裏付けられた。


あるとき彼女は、諸々の問題のせいで日本で某民族へのバッシング(あるいは嫌悪)が顕著だった頃、ある人気テレビ番組(ニュース解説番組)で、それは差別だと言い、「どうして日本人は○○人を差別するんですか?」と緊張した表情で解説者に尋ねた。調子に乗って口を滑らせていたこの解説者が、その言葉に、我に返って青くなった事を覚えている。この時私は、ああ日本にもこんな勇気のある若者がいるのだ、と感動し、一瞬目頭が熱くなった。彼女を誇らしく思った。 ・・・あの時あの状況であんな発言をする事は、並大抵ではない相当な勇気が要るはず。考えが違う他の出演者らが、こぞって露骨に表情を曇らせた事を覚えている。それでなくともブレークした彼女への嫉妬心から、「貧乏を売りにして~」等と、あることないこと言われつづけて来た時期に、さらにこれが重なり、一時相当なバッシングになった。連中の心無い言葉の数々が、彼女を深く傷つけた事は間違いないだろう。


そんな彼女の心の支えだった最愛の母親が昨年他界する。 この一年、さぞつらかったことだろう・・・


ブレークが終わりメジャーな仕事を失いつつも、歯を食いしばり、「東京に負けないぞ~」と、孤独と戦いながら必死に仕事をこなしてきた彼女だが、私は、最近発表された写真を見て驚いた。ヤフー画面にたびたび広告が出てくる彼女の一連の写真だ。あれはセクハラといってよい仕事内容だ。いやセクハラ以外の何物でもない。彼女はいわゆるAV女優ではない。AVが仕事のAVのプロ達ならああいうAVポーズもなんなくこなすだろう。しかし彼女は、かりにも昨年まで全国的にブレークしていた著名な芸能人なのだ。事務所は一体いつまであんな仕事をさせるつもりだったのだ。確かに彼女はそういう路線から出発した。昔は右も左もわからない言いなりの新人だった。しかし、本当に悔しくて仕方がないのだが、今あんな仕事はなかろう。私は痛々しくて見ていられなかった。彼女には26歳の恋人がいたそうだが、もし彼が普通の男の子なら、あれを見たら相当ショックなはずだ。彼女には「来年までに」という強い結婚願望があったようだが、彼氏の両親は、「あんな仕事をする女と息子が結婚?」と思ったかもしれない。彼女の願望は・・生きるのが辛いほどの結末に?・・・いずれにせよ自叙伝に書かれた過去の事も合わせて考えると、彼女は、欝病になっても不思議でない過酷な状況だったと思われる。


欝等は、脳科学的にもはっきり症状が見える脳の病だ。もし彼女がそうならば、彼女は「病死」というべきだろう。テレビを見ていると、死者に鞭打つような発言をする人が何人か居た。「人の迷惑も考えず安易に自殺して~」と軽蔑する人がいるようだ。そういう考えの人に私は言いたい。おそらく、いやほぼ間違いなく、精神科医によるメンタルケアがあれば、彼女の命は救われていたはずだと。 これは欧米では広く普及しているケア、医療だが、日本では「精神病?」というレッテルを貼られ差別されることを恐れ、あまり普及が進んでいない。実際堂々と「私は精神科に通っています~」等と言う芸能人をみたことがない。彼女は、そういう風土、医療制度の不備の犠牲者だったといえまいか。若くして前述のような様々な試練に立ち向かい、道半ばで力尽きたが、最後まで死ぬほど頑張ってきた人、といえないだろうか? 弱い体に鞭打ち、一生懸命頑張り、働き過ぎた末の、「過労死」が実態ではなかろうか、などと私は思う。


事務所が、彼女のメンタルケアに気が行き届かなかった事が悔やまれる。おそらく、彼女をAVデビューさせて一儲けする事で頭がいっぱいで、とてもそんな事まで考える余裕はなかったのだろう。 



上原美優さん(本名藤崎睦美さん)の、ご冥福をお祈りします。
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屈託のない彼女の笑顔がしのばれる。


サルヴェのメーターミザリコーディアエ



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コメント

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  2. イシュのパパ | URL | -

    Re: ヘンデルのこと

    こんにちはフ○フィのママ様、コメントありがとうございます。
    そうなんです、ヘンデルは、かなり現代的な人だったようですね。それから、地元のある教会でヘンデルとバッハは、同じオルガンを弾いたそうですよ。ヘンデルの後釜にバッハが就任したとか。そんなに近い関係だったのに、いろいろ対照的で面白いですね。ある番組によればメサイアは、大衆に分かりやすく布教するためのオラトリオで、セリフが分からない私には残念ながらその良さが分からないのですが、現代に至るまで、大きな役割を果たしてきたそうですね。私のような者にとっては、その音楽だけでも大変素晴らしく、生で聴けるフ○フィのママ様が、とてもうらやましい。

    >「以前教会の奏楽の奉仕をしていたとき、当たり前のようにクリスマスになるとヘンデルのメサイアの伴奏をしていましたが、さして彼の生涯や信仰について考えたこともありませんでしたので私にとっても良い勉強でした」

    そうですかメサイアの演奏を! ああ「ハ~レルヤ」が脳内に響いてきて、う~ん何だか興奮してきました。もし言葉が分かり、テレビで見るような大規模な演奏会の会場に、あるいはその合唱の中に居れば、もう私なんかは感動しまくりでしょうね。 しかしこういう態度は、信仰心の厚い方々には、どう映るのでしょう。大切なヘンデルのメサイアを、信者でもないそういう人達に興味本位に見て欲しくないかもと、同じように、オケゲムやグレゴリオ聖歌、バッハなどなどのを聞くとき、私は思ったりするのです。「パパさんが、音楽を愛しておられることは素晴らしいことと思います」とのお言葉を頂き、少し気が楽になりました。これからも、こういう音楽を愛し続けたいと思います。 すみません世俗的な話ばかりで。 「彼女」の件は私もそうだと思います。彼女にこそ必要だったと思います・・・

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