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第33話 懐かしいエリゼの園

2011年04月08日 14:22

え?と思われるかもしれないが、けっしてカルトでもなければ、自殺願望でもない。美しい楽曲、グルック作曲「オルフェオとエウリディーチェ」の話である。古典歌劇の傑作で、全曲素晴らしいが、「精霊の踊り」が特に有名。聞いた事がある人も多いだろう。

物語は、ギリシャ神話の「オルフェオの物語」を基にした、死者の復活劇である。堅い話ではなく、ハラハラドキドキ波乱万丈、そしてメデタシメデタシのハッピーエンドという筋書きで、さわやかな感動が得られる作品だ。

この物語には、「けっして死者を見てはならない」というキーワードがある。

私は、庭に埋められている「ちびっ子」たちを、猛烈に掘り返したくなる衝動に駆られる事がある。だって、そうすれば、触れるじゃないか。  目隠しして見なければいいじゃないか。

・・・

そんな暴挙をしようとした時、この音楽が頭の中を流れる。


精霊の踊り

ちびっ子たちが居るエリゼの園は、この音楽のような、美しい澄み切った空と、輝く太陽の光がそそぐ、きれいな小川が流れる花園だという。もし私が、ほんの少しでも掘り返せば、それが真っ黒に汚されるのだろう。


(この家を、私の死後、甥か姪の誰かが受け継ぎ、花壇を守ってくれるといいのだが・・・そして、私の遺灰を少しでもいいから撒いてほしい・・・)

・・・

なぜエリゼの園が懐かしいかといえば、実は私は一度行った事があるのだ。第14話でお話したとおり私は重体になり、生死の境をさまよった。不思議な事に、痛みは一切なかった。意識を戻すと、楽園で楽しく過ごしてきたような、そんな、とてもさわやかな気分だった。「ただいま~」という感じの帰還だった。まさにあの音楽がぴったりな感じだ。

あの曲は当時NHKFMの音楽番組のテーマ曲などに使われていたからよく知っていた。ベットの中で、頭の中によく浮かんだものだ。

この体験は、その後の人生に大きく影響した。知識の修得に貪欲になり、逆に物欲は減少した。少なくとも死は怖くなくなった。ちなみに私は20代前半で、ある技術を開発し、それが大きな利益を生んだ。そのお金で自宅や別荘を買い、音楽や乗馬を楽しんだ。まあ今ではその技術に価値はないが、ある程度私は社会に貢献できたと思っている。後は世間の迷惑にならないよう、細々と暮らしていくだけだ。


人から勧められ、いろいろな事業をやったが、儲かったためしがない。20代後半から一切働かず、乗馬だけやって遊んでいれば、かなり貯金ができていただろう。 だが全体で考えれば、こういう失敗も、いい経験だった。私をカモにした連中をうらむ気持ちはサラサラない。エリゼの園の影響だろう。 今は家と車以外何もない。とても自由でせいせいしている。この能天気さも、エリゼの園の影響だろう。でもまあ家もあるし、食べる事ぐらいは困らないから、魑魅魍魎のビジネスの世界で、バタバタしていた頃より、今の方が豊かと言えなくもない。


残念なのは、友人が、音楽を通して知り合う人ばかりで、大抵若い女性な事だ。せっかく親しくなっても、皆数年で結婚し遠くへ行ってしまう。欧州へお嫁に行った友人から手紙をもらったが、相手はもう人妻だし、どう返信したら良いか困惑する。そもそも手紙のやり取りなどして良いのだろうか?向こうは気軽に書いたのだろうが、とても気を使う。私はモテ過ぎだ。若い女性以外の友人を作らなければ ・・・ と、これもエリゼの園の影響だろう。 ナンノコッチャ


これもこのオペラの名曲のひとつ「エウリディーチェを失って」


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かわい子ちゃんから熱烈キッスを受ける筆者





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