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第246話 チュー太郎猛犬に嚙まれる!

2017年09月23日 12:27

山荘のご近所さんには仲の良い爺さんがいる。この山荘へ来るようになってもう25年。当時はリタイヤした別荘族のお年寄り達が周辺に大勢いて、一緒にお酒を飲んだりバーベキューしたりして皆さんと親しくしていたが、この25年でほとんどいなくなってしまった。寂しいが自然の摂理で仕方がない。そんな中唯一の生き残り、と言ったら失礼か、そんな長い付き合いの親友に近いお友達があの爺さんだ。大手企業を定年退職し山荘暮らし。昔は若々しかったが今は80ぐらいだろうか。この人が居なくなると一人ぼっちになってしまうので、毎年初夏再会するとすごくホッとする。そして「ああ今年はあの人がいなくなったね」などと言ったりしている。

その爺さんの愛犬は、泣く子も黙る猛犬マルチーズだ。まあ半分冗談だが、近年人工的に作られた犬種と違い、3000年の歴史を誇る筋金入りの小型犬。当時は大きな犬ばかりだったろう。だから大型犬に対しては血が騒ぐようだ。昔は外敵に対し吠えたててくれるだけで良かっただろう。飼い主は弓矢などで武装していただろうから、レーダー的な役割で十分だったわけだ。だから大型の猛獣に襲われても恐れ知らずに吠えたてるマルチーズの性格は重宝したに違いない。しかも家族には愛らしい優しい性格なのだから飼い主にはたまらない。昔からこの小さな犬種は、溺愛されていたに違いない。だから我儘な猛獣になってしまう子も多いのだと思う。また家族には飼いやすい犬種なので飼い主はあまり調教の技術を磨こうとはしないだろう。こうして小さな猛獣が作られる。

数年前爺さんのマルチーズが天寿を全うした。爺さんの嘆きようは大変なものだった。なにせ玄関の10m先に大きな石を使った手作りの墓を作ってしまうほどだ。「やめてよ!○○さんが死んだらこの墓見る度悲しくなるじゃん」と言ってやったら笑っていた。そして毎日のようにお供え物をして拝んでいた。ほどなく見かねた東京に居る奥さんや息子さんたちが、うり二つのマルチーズの子犬をプレゼント。最初は抵抗感があったようだが、すぐに前の子と同じ名前を付けて、同じように暮らすようになった。まあ私と違い奥さんや子供さんたちがいるので、すぐ次のワンコが来ても大丈夫だから、羨ましい限りだ。まして小型犬だしね。

さてそのワンコももう4歳ぐらいだろうか。ある日散歩の途中いつものように、こんにちは~と爺さんの家に寄ったら、といっても山荘で数千坪の敷地だから玄関までかなり距離があるのだが、その子が玄関から猛然と飛び出してきて、あっという間にチュー太郎の足に噛みついた。それもガガガガガーと結構激しくだ。一瞬の出来事でどうしようもなかった。当然チュー太郎は反撃。哀れ小さなその子はオダブツに。は冗談だが、ケガを負い爺さんは動物病院へ直行。正当防衛だったがその時はまだ状況は知らず、ぎくしゃくした感じに。当日夕方、その子の元気な鳴き声が聞こえたので心底ほっとした。傷が癒えた数日後に麓への買い物に誘い、車の中で状況を説明し、美味しい中華の店でランチをして完全仲直り。良かった良かった。大型犬に向かってくるというあの犬種の性格を甘く見たミスだった。教訓になった。あの子が死んでいたらと思うと本当にぞっとする。


初めて犬に噛まれ大ショックだったチュー太郎w
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