第223話 木彫りの観音様

2016年10月17日 14:11

49日って何?最も大事な法事ということだが。 もし仕来たりに厳格だった長兄が生きていたら、さぞかしあれやこれやと大忙しだったろうが、そういうことにうとい次男と三男坊には、そもそも仏教徒でもないし、関心は薄い。葬儀会社が手配してくれたお坊様の宗派は、中陰の概念はないそうなので、そういう機会に遺族が集い思いをはせるだけで良いのだそうだ。

というわけで先日、皆が母の家に集まって食事会をした。母の希望で、観音様を飾った。母の話によれば、自分の死後、自分に代わってこの観音様が私たちを見守ってくれるのだそうな。母の指示で新調した観音様は、遺言で母と一緒に焼いた前の観音様とは少々違う。同じ職人さんが作ったそうだが、前より年月が経って腕が上がったのか出来がはるかに綺麗。言っちゃあ悪いが、前のはまるで中学生が作ったような代物で、これでうん万円?と耳を疑った。でも母はとても気に入っていた。いかにも手彫りという感じが良かったのだろうか。

新しい観音様、デザインも大きさも全く同じ。因みにお値段も。この10年程の間に何があったのだろう。あの荒っぽい作りが、絵にかいたような美しいお顔で、お肌表面もツルツル、前のような粗さは微塵も無くなめらかでとてもきれいだ。不揃いが目立ったバックの細部も今回は完璧。こんなに綺麗だなんて、まるで型取りした大量生産品のよう・・・うん?え?まさかね。うーん、あれ?いやいや、ああよかった、プラスチックではなさそうだ。でも本当に手彫り?と疑いたくなるほどキレイ。いやいや疑ってはいけません。きっと、あの中学生が、名工に昇華したのだろう。

兄はこれを飾る仏壇を購入した。木目プリントを貼った板ではなく一枚板製で、小さいにもかかわらず高価だったという。確かに高級感がある。間接照明がついていて、観音様が後光をさして見え、とてもいい感じだ。でも思うに、どれも木製で和室だから周囲も燃えやすい物ばかり。これでろうそくやら線香やらで火をともすと、二世帯住宅で弟のまだ小さな息子が出入りするので、ちと心配だ。観音様も怖がっているかもしれない。大人が居ない時は火気厳禁だね。

今年は季節外れの暑い日が続いたが、山はすっかり秋。かなり冷えてきた。母が居た7月の名残りはもうない。尻もち事件で猛暑の名古屋に帰り、8月に亡くなった。山では「涼しい!気持ちがいい!」と喜んでいた。山に来たことで死期が早まったのか名古屋へ帰ったからか、それは分からない。ただ、最後に二人っきりで山で暮らし、尻もち事件が起きるまでは毎日一緒に笑い楽しく過ごせたことが、何よりも良かった。親不孝者だったが、最後に親孝行のまねごとが出来た。チュー太郎も大活躍したね。「本当に可愛い子」と毎日褒められていたね。ドーベルマンは癒し犬だ。

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毛艶ピカピカ黒光り。晴天の光のせい?

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少しやせ気味か。

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黄色い葉っぱが美しい

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寒々とした道路。日が暮れるともうかなり寒い



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