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第172話 多くの若者の命を救った犬

2014年07月04日 17:16

この写真のドーベルマンは、アメリカの多くの若者(兵士)の命を救った名犬だそうな。音に弱いから戦場で犬は役立たずという説があるが間違いだ。うちの子は間近で何度落雷しても平然としている。音に弱い犬を連れてくるから役に立たなかっただけの話だろう。アメリカのドキュメンタリー番組ディスカバリーチャンネルでも見たことがあるが、この子たちの活躍は、泥沼のゲリラ戦に持ち込み不意打ちを仕掛けてくる敵軍に対しては、予想をはるかに超えるものだったようで、その神がかり的な注意力で素早く攻撃を察知し防御に貢献。写真のこの戦場沖縄では米軍側にも多大な犠牲が出ているが(大半が前途有る二十歳前後の若者)、この犬たちが居なければ、さらにいったいどれほどの犠牲者が生まれたことか、想像するのも恐ろしいほどだという。


くわえている戦利品が戦利品なのでちと複雑だが、まあ終戦後は手のひらを返したようにアメリカ万歳アメリカ民主主義最高、政府が先頭に立って日本はアメリカの良き同盟国です!と言っているわけだから、彼らの犠牲者が減った分怨みを買う事も減ったわけで、結果的に戦後の日本にとってもこのワンコたちの活躍はプラスだったといえるかも知れない。でもこの子たちは残虐に人を襲った犬では?否、それは漫画や映画の話だろう。現実の戦場でそんな事をすれば銃で即殺されるだけだろうし自軍の居場所を敵側に教えるようなもの。Dチャンネルなどが語るように、もっぱら探知レーザー的な役割が主でただ味方の兵士の命を救う事に活躍したというのが事実だろう。

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このドーベルマンが救ったアメリカ兵の数は一体どれぐらいなのだろう。テレビでは彼らの活躍をかなり大袈裟に言っていたが、仮に数人の命を救っただけでも偉い。でも実際はもしかして1000人? あるいはそれ以上? そう思って改めてこの写真を見ると、何か深いものを感じる。おそらくカメラマンの要求でかざしたであろう戦利品には目もくれず犬を見つめる若い兵士の眼差し。丁寧な傷の手当の包帯。兵士の又の間にゆったり座り、がっしり頭を撫でられる堂々たる姿。 ・・・ 政府は事実上一般住民にさえアメリカ軍に降伏することを禁じていたため、多くの女子供老人まで巻き込んだ正に地獄そのものになった戦場での撮影だが、それを感じさせない、ふたりの愛と絆を感じさせる写真となっている。


だがこのワンコたちの末路は悲しいものだった。番組でもアメリカ史の汚点だと激怒していたが、真の英雄であるこのワンコたちも帳簿上はただの物資。終戦後現地にあふれかえった膨大な物資の処分を決める前線を知らないエリート官僚たちは、本来なら後年の軍用犬のように勲章をもらって堂々凱旋するはずなのに、ちゃちゃっといい加減にきめた決定は、もう用済みだから他の不要品と一緒に現地で廃棄処分、すなわち殺処分。現地の住民が噛まれたりするなど怪我人が出ないよう速やかにと。つまりこの写真からわずか数か月後にこのドーベルマンは、死を迎えたことになる。おそらく処理したのは共に最前線で戦った兵士たちではなく、戦いとは無関係だった雑用係の人だろう。後にそれを知った兵士たちの慟哭は、察して余りある。


ところで報道によれば、戦後約70年たってついに日本は堂々戦争ができる国に復活したのだそうな。安倍首相閣下様のトークがまた凄かったらしい。毎日新聞によれば、政府は「国の存続と自衛のため」という、あのナチスと同盟を結んで先の大戦争やらかした時の台詞を、そっくり偶然なのか意図的なのか知らないが使ったのだそうな。じゃあいざ戦争となったらまた降伏を認めず一億総玉砕なんていわれるのだろうか。自爆攻撃なんて嫌だなあ。そういうのは若い子だけにして、私たち年寄りは免除してもらえるだろうか。


冗談はともかく真面目な話、是非は脇に置いて、個別的自衛権(第三者にも完全に明確な正当防衛行為すなわち不戦の誓い)と、集団的自衛権(利害が伴う軍事同盟すなわち戦争参加の是認)にはそういう違いがある。第二次世界大戦以後も世界は戦争が続いたが、日本が巻き込まれずに済んだのはこの集団自衛を禁じていたためだ。憲法9条がそれを禁じていると戦後一貫して歴代内閣は明言していたのだが、いつの間に法律が180度変わったのかと、まるで9条を無視する現政府の態度に嫌味の一つも言いたくなる。そういえば統帥権とやらを持ち出して同じように憲法の解釈を勝手に変えて、挙句の果てには極端に軍国化し、あの大戦争を引き起こしたんでしたよね・・・などとドーベルの頭をなでながらつぶやいてみる。

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平和が好きな私とチュー太郎
 

 
 
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