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第106話 私のドーベルマン調教法

2012年05月17日 13:27

まあこれは私個人のレッスン方法なので、話半分程度に聞いていただきたい。とにかく相手は、とても賢い生き物なのだから、千差万別。飼い主と犬それぞれの個性と、あらゆる偶然と可能性が存在しているのだから、硬直した方程式に捕らわれては、本物の正解からは遠のくばかりになると思う。さらには、昨日の正解が今日は不正解などというケースも珍しくはない。いうまでもなく子犬は、最初は白紙のキャンパスなのだから、こういう賢い犬種は、つまり飼い主の能力と気持ち(心)が、そのまま反映されて出来上がる。だからドーベルマンは楽しい。やりがい、飼い応えが抜群で、乗馬馬並にあると私は思う。しかもドーベルは、もともと飼い主を強盗などから守る為に作られた犬種だ。飼い主に対する想い(愛情)は、半端ではない。ドーベルマンの飼い主は、それに応えてやらなくてはなるまい。


この動画は、昨日撮ったものだが、何気ない散歩に見えて実は様々な技を使っている。ひと言で言えば、パールマンの自然馬術という理論を参考にし、前進気勢のコントロールをしている。手綱(リード)さばきも、一見コンタクトを取らないブラブラなリードのように見えるが、実は色々な合図を送っている。試しに誰かとロープを持ち合い、通常はブラブラでも時々コンタクトを取って、微妙にクイクイっと合図を送ってもらうと、この動画が何をしていたのかが分かると思う。また、よくある、ロープを強く引っ張った状態が、どういう状態なのかも、この方法で試せば分かる。強く引かれた方が、自動的に反発することを理解できるはずだ。例えば、強風に煽られたとき、あっけなく倒れるのではなく、人は倒れまいと踏ん張る。それと同じ反応だ。引っ張れば引っ張るほど引くという引っ張り合戦が、こうして発生する。馬の調教でこれをやってしまうと、暴走馬が出来上がる。その結果、残酷な道具を使って、強く制御する事になる・・・


この動画の最初の部分は、散歩終盤の上り坂だ。デブの私は、そろそろ体力の限界に来ている。本当はチュー太郎にぐいぐい引っ張ってもらいたいのだが(実は先代達は山ではそういう調教をしている)、ここではそれをやってしまうと引っ張りあいになってしまう(=散歩に苦しい記憶が残ってしまう)ので、頑張ってペースをコントロールしている。押しては引き、引いては押す。つまり、ここでは無理に制御すべきではないと判断した時は程ほどにペースを合わせ(早め)、チャンスと思えばチュー太郎に気付かれないようペースを遅め誘導している。そして、暴走しそうな時は、それが許されない公の場では、とにかく止まる。


止まり方は二種類。気まぐれを装って止まるか、頑固な石のようになるか。その二つはメッセージ性が大きく異なるので注意深く使い分ける。散歩中観察していれば、暴走を始めるとき予感を感じられるはず。例えば昔チュー太郎をいじめたドラニャンコがはるか前方にいた場合、ただちに別の方向を見て「チューちゃんアレ何だろ?行ってみよ」などと話しかけ向きを変える。手遅れだった場合、石のように無言に固まって止まる。力に負けて動かされそうなら、その場でくるくる回転し、リードを自分の体に撒きつける。通常こうすれば犬も回転しだすはず。そうなれば、楽しく一緒に踊ればグッドだ。


飼い主が黙っていると、不安感が生まれ、散歩に悪い記憶が残る。調教中なのなら、散歩は絶対に楽しくなくてはならない。怖がりだったチビッ子の頃のチュー太郎は、ごつごつしたアスファルトに足が触れるだけで固まってしまい、家から出ることを断固拒否していた。散歩を楽しくする為に私がよく使う手口は、明るい調性で何か適当に口ずさむことだ。これは乗馬馬の調教でとても効果があった。大きな障害を飛越するとき、調教中の馬は非常に緊張する。私は、馬によって勇気付けるメロディーを口ずさんだり、あるいは短調に転調して、狂ったように突進する馬を落ち着かせたりしていた。チュー太郎の場合も、怖がりだったので、この動画のような感じで歌ってあげているわけだが、とにかく「パパとの散歩は楽しい~」という雰囲気作りをすることが目的だ。ちなみにいまチュー太郎は、わざと無言にすると、先に述べた理由で強いストレスを受ける。止まればくるくる回りだす。


この動画の終盤は、ゴール直前で疲れはてている私とは対照的に、手術後の安静の為に決定的に運動不足で、ダッシュしたい誘惑に駆られているはずのチュー太郎という状況だ。玄関に到着したとき、喜び勇んで暴走して扉を吹き飛ばして入ろうとする時と、そうでない時があるが、この動画の時は暴走を感じ取ったので、私は直前に、玄関を通り過ぎて遠のく方向へ回転させ、上手く回転した事を褒め称えながら玄関前で止まらせた。「チューちゃんおりこうだね~」と褒められ、うれしそうに止まっていた。罵声が飛び交う一般的な暴走制御より、この方法の方が百倍マシなのは言うまでもない。結局わたしの調教方法は、定められた環境の中で、どれだけ奴らを喜ばせる事が出来るかを常に考える、という方式だ。この方法には様々な欠点があることは承知している。一歩間違えれば、わがままで甘ったれのアンポンタンわんこが生まれるだろう。しかし!成功すればこれほど美味しい相棒はあるまい。将来ドーベル導入をお考えの皆様、成功を祈る。

本当に死にそうだったのに、無事手術を終え、戻ってきたチュー太郎。
前と変わらない何時もの散歩。それが何よりうれしい

dffe_convert_20110321003052.jpg
これは先代チューちゃん。可哀想にまだ後付け本名が無い名無し。
初代チューちゃんはイシュという立派な名前が出来たのに・・・
う~~ん・・・名無しのチューちゃんで、ナー子ちゃん? ・・・ 可哀想過ぎる



コメント

  1. | |

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  2. チューちゃんのパパ | URL | -

    Re: 共感

    はじめまして、ぽ○○さん。
    ご共感いただき、ありがとうございます。
    偶然にも私と同じような事をされていた方がいると知り、
    心強い限りです。
    「動物を知る」という調教の基本、全く同感です。
    またぜひコメントをお寄せください。出来れば公開で。
    チュー太郎への暖かい励まし、本当にありがとうございました。

  3. アイリーンママ | URL | -

    可愛いなぁ~♪

    チューちゃんとのお散歩の動画、とっても心が和みます!

    私も私のドべちゃんたちとは、パパさんと同じ様にお散歩をしていますから、何だか後からついて行ってしまった気分です(笑)

    チューちゃんが、パパさんの声を聞きながら歩いているのがよくわかります。

    チューちゃんったら、お耳で聞いている訳ですが(あたりまえ!・笑)全身で聞いているのがわかります!

    パパさんのやさしい声を聞きながら、キョロキョロ~ 楽しそうにお散歩していますね…

    これからもずっと素敵な日々が続きます様に~♪

    私も自分の大切なドーベルマンと、いつまでもこんな風にお散歩出来る日が続く事を最近しみじみ思います。エミリーもうすぐ7才だから…

    あんまりどこへも連れて行ってあげられないから、本当にお散歩は大切な時間ですね!

    チューちゃんと、パパさんの声だけの動画、また楽しみにしていますね…

  4. wonwon | URL | tYvW6C8E

    今日のお話は、ドーベルマンを訓練する上でとても参考になりました。
    このブログを知って良かったと思えた瞬間でもありました。それほど
    感激しました。

    ありがとうございました。

  5. チューちゃんのパパ | URL | -

    Re: 可愛いなぁ~♪

    アイリーンママさん、こんにちは
    ありがとうございます。
    はい、これからも、どんどんアップしますね。
    そうなんですよ、ほんとに可愛いんですよ。
    まだゼロ歳児ですからね。夜リビングで一緒に居ると、
    見ていると可愛すぎて、何だかムラムラしてきて
    どうしてもいじくり回してしまうんです。
    抵抗して、「パパあっち行け」と前足でペンとしてきますが
    そのしぐさがまた可愛くて、火に油を注ぐ状態になっています♪

  6. チューちゃんのパパ | URL | -

    Re: タイトルなし

    wonwonさん、こんにちは
    お褒めくださり、ありがとうございます。
    クレ○ンへ行ったみたいですね。
    お嬢さんの青アザはとれましたか?
    100%クラブの責任です。災難でしたね。
    ああいう時は、万一に備え左手をさりげなくガードにして、
    右手で首をペチペチ叩いてあげるといいですよ。馬も喜びます。
    そうそうジョイ君のいい写真がありましたね。
    面白いニッコリ顔で最高です!

  7. そらぽん | URL | -

    チューちゃん、お散歩開始ですね♪

    チューちゃんのパパさん、お久しぶりです。先日NZ旅行より戻りました。
    アンとの再会は、思ったより劇的で、1カ月半しかまだ一緒に生活していないのに
    11日間の離れ離れの生活はとても長かったです。迎えに行くと、
    私の声を聞いてすぐに遠くから走って飛びついてきてくれました。
    嫌いな車にも、自ら飛び乗り、家に帰ったら嬉しそうに走り回り、すぐに元の
    生活に戻りました。もう、家族になったのだな、と実感しています。

    チューちゃんのその後どうなったかなぁ、と気になっていましたが、元気に
    お散歩を再開されている様子がみれて、嬉しいです。
    アンは、散歩はやはりとても難しく、家の敷地内を全速力で走り回っています。
    チューちゃんのパパさんのブログを参考に調教をして、いつか落着いて散歩に
    出られるよう頑張ろうと思っています。

    NZでは、馬には乗れなかったのですが、間近で触ってきました。
    本当、猫のように優しいという言葉そのもので、
    かわいかったです。



  8. チューちゃんのパパ | URL | -

    Re: チューちゃん、お散歩開始ですね♪

    そらぽんさん こんにちは。おかえりなさい。
    旅行は楽しかったですか?
    そうですか、アンちゃんから熱烈歓迎を受けましたか。
    良かったですね、それはとても良い事です!
    はい、おかげ様でチュー太郎は元気になりました。
    毎日あんな感じで散歩しています。
    うちも療養の為に運動不足になっているせいか、
    離すと敷地内を全速力で暴走しようとするので、
    調馬索の要領で、コントロールして走らせ、
    ガオー!と発散させてから散歩に出ています。
    散歩、指示通り回転が出来るといいですね。
    くるくる自由に回転できれば暴走は防げます。
    頑張ってくださいね~。

  9. そらぽん | URL | -

    チューちゃんのパパさん、散歩のアドバイスありがとうございます。
    早速、庭で回転の練習をして、角ではついつい近道を取ろうとするのですが、
    私の左に付く練習をしています。
    先週末、主人が近所に散歩に連れて出ると。。。はやり、フィジー。。。
    野犬が多く、(飼い犬でも放し飼いが多いので)それらの犬に取り囲まれて、
    アンは、パニックになり、吠えまくったそうです。
    帰ってきたら、疲れたのか、お水をガブガブと飲んで爆睡でした。
    散歩という文化がないから、やはり難しいのでしょうね。
    今度は、海辺に行ってみる予定です。

  10. チューちゃんのパパ | URL | -

    Re: タイトルなし

    こんにちは、そらぽんさん、調子はどうですか?
    まあ気楽に、そして気長に頑張ってくださいね。
    それにしても野犬に囲まれ~ですか。怖いですね。
    アンちゃん、一生懸命ご主人さんを守ろうとしたんですね。
    ご主人さん野犬に咬まれていたら一大事でした。
    狂犬病ウイルスに感染すると、死亡率ほぼ100%といわれますからね。
    ひょっとしたらアンは命の恩人かもしれませんね。

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