FC2ブログ

第175話 ボクサーの里親に

2014年09月11日 20:11

ドイツから帰国した元妻が、どこからもらってきたのかボクサーの里親になった。早速「見に来ない?」と誘われ、彼女の実家に行った。別れてからもう10年近いだろうか、少々敷居が高かったが、ご両親とも「久しぶり!」と暖かく歓迎してくれた。「ああどうもどうも」と挨拶を済ませワンコと対面。馬や犬の面倒を長年みてきた彼女だから、この犬とも既にすっかり馴染んでいた。保護された経緯を詳しくは聞いていないが、なんでも飼育していた男性が孤独死してしまい、もう一匹いたボクサーと共に餓死寸前のところを発見救出されたのだそうな。単身者のくせにボクサーを買うなんてと言うなかれ。私もドーベルマンを飼う糖尿病等の病を持った単身男。ひとごとではない。孤独な単身者にとって大型犬は最良の友であり家族であり、健全に養える環境と実力を持っていれば、これ以上ない存在になり得る。そして大型犬の寿命は短い。自分があと数年で死ぬ運命とは、このオーナーさんは飼い始めるとき夢にも思っていなかっただろう。・・・ワンコは、とにかく救出されて幸運だった。


で、この子だが、顔はボクサーそのものだが、ずいぶん小さい。2歳近いのに体重は25kgほどだという。彼女も40kgぐらいの犬を想像していたので対面した時は拍子抜けしたそうだ。ボクサーの中でもそういう犬種なのだろう。毛並みの美しさがとても印象的だった。 表情はさすがに暗かった。無理もあるまい。こういう子の場合、私のような大きな男が無神経に近付けば、非常に怖い思いをさせるかもしれない。そこで元妻と楽しそうに会話して和気あいあいな雰囲気を作った上で慎重に近付き、地べたに座ってお腹を見せながら「やあブンちゃんこんにちは」とにこやかに挨拶。なんとか警戒心を解いてくれたようなので「うーん」と唇を突き出しキスをせがんだ。するとベロベロとキスしてきてくれたので、お返しに「うへへへへ」とハグやり放題。「ブンちゃん可愛いね」とベタベタしまくって無事友達になる事に成功した。最初はかなり警戒していたが、よほど寂しかったのか、友達になってからは逆に、ベッタリくっついて離れなくなった。天真爛漫のうちのチュー太郎とは正反対で、なんだかとてもいじらしい感じがした。


オーナーさんはセレブだったそうで、一流の調教師さんがついていたのだそうな。友達になったあと、どれどれとコマンドを出してみる。やはり私とは違うのかあまり上手くいかない。ひょっとして英語で調教?それともフランス語?え、もしかしてドイツ語で?と色々試してみても駄目だったが、なんのことはない、ああそうかここは名古屋だ。おいブン太郎、オミャーさん名古屋弁だろ、と日本語に名古屋弁のトーンを混ぜてコマンドしたところ見事適中。すいすい効くようになった。「おみゃーな、にゃごやべんにゃんかじゃ、にゃんともにゃらんでいかんがね。にゃんとかせにゃいかんにゃー」と諭したら、うんうんと頷いていたw。 元妻によれば、まだ神経質で、失禁や排便のトラブルが多いそうな。でも、経験豊富な彼女なら、きっと上手く対応できるだろう。ただ彼女は私のような暇人ではない。今のブンちゃんには一日中ベッタリしてあげる必要があるが、両親や敷地内に彼女の兄夫婦もいるが、そこが少し心配だった。 それにしても、おいらも気をつけなければね、チュー太郎・・・


20140910_121801.jpg
やあブンちゃん、と声をかけているところ。まだしょんぼりしている

20140910_121907.jpg
友達になってからは目に見えて生き生きとした表情に