FC2ブログ

第168話 ドッグランのマナー

2014年05月25日 19:53

実は私はドッグランがあまり好きではない。愛犬を思いっきり走らせたいという動機で連れていく人が多いと思うが、家には走れる庭があるのでそれは必要ないし、出来るだけ人間とのコミュニケーション能力を高めたいので、動物がえりを呼ぶ犬友も私にはあまり必要ない。犬は野生動物ではない。ブリーディング或いは品種改良という名のDNA操作で、野生動物を人間とのコミュニケーション動物に改造してきた人工的な生き物だ。犬らしさとは何かというのは哲学的な問題になる。因みに人間を守る為に開発されたドーベルマンという犬種は、人間とのコミュニケーション能力が最も優れている部類に入るだろう。犬友のいない犬は不幸なのだろうか?そんな事はないと思う。群れたがる犬種とそうではない犬種があるので一概には言えないが、うちの子に限って言えば、彼にとって必要なのは、自分を愛してくれる家族であり、面倒を見てくれる人だ。実際うちの子は、よその犬など顔を見るのも嫌という雰囲気がある。


そんなわけでこの子は、ドッグランとは無縁だったのだが、先日家に突然遊びに来てチュー太郎とすっかり仲良しになった元妻から、ドッグランへ行かないかと誘いがあった。何でも、公的な仮設の無料ドッグランがあって、あと数日で閉鎖されるのだという。それなら犬の福祉の為にも、少しでも実績作りに協力するかと思い、行くことにした。行ってみると、驚くほど広大な綺麗な芝生の広がる公園で、その奥隅に造られていた。大型犬用と書かれた広いエリアと、小型犬用と書かれた小さなエリア、もうひとつ迷路のようなエリアがあった。小型犬が大型犬に噛まれると致命傷になるのでエリアを分けているのだが、何故か小型犬用のエリアには誰もいない。監視員が居ないせいか、ルールを無視して全員が広いエリアに居た。


チュー太郎の性格上これで当然リードは離せなくなった。まあ最初から他の犬が居たら離すつもりは無かったが。ドッグランのマナーとして複雑なのは、リードの問題だ。どんなに調教ができているとしても、相手のある問題なので、入って来ていきなりリードを放すのはマナー違反だろう。エリア内を一周するなどし、10分程度は慣らすのがマナーだと思う。しかしよほど自分の調教技術に自信があるのか入場した瞬間に離す人が居て面食らった。入場する頃にはもうかなりの興奮状態だったので制御ができなかったのかもしれない。つまり実はこの人は犬を制御できていないのだ。チュー太郎はもちろん私の横にピッタリ付いて完全に制御されている状態で入場した。そしてとりあえずその状態のまま、エリア内をゆっくり歩いた。


エリアの中にはいくつかのグループがあった。最初に挨拶した方は、何もかもがほぼ完璧な御夫婦で、チュー太郎への接し方も素晴らしかった。もちろん瞬く間に仲良くなり、チュー太郎も楽しそうにその人にベタベタしていた。その人の連れていた大型犬も温厚かつ理想的なマナーで、嫉妬することもなく、チュー太郎と仲良くなりそうだった。エリア内がこの子だけなら、私もリードを放したかもしれない。気を良くして次のグループに近づく。ここはごく普通の水準か。グループ内の太鼓持ちのような存在の小型犬が吠えに来る。するとそれに引きずられるように大型犬たちもやってくる。犬たちに先ほどのような友好的かつ温厚な雰囲気はみじんもない。チュー太郎は同じ事態なのに先ほどの経験とは真逆なので非常に驚いていた。そしてそこで飼い主の一人から、ドッグラン内でリードを付けているのはマナー違反だというようなことを言われた。こういう状態になったのはリードを付けているせいだという。理屈はこうだ。リードを付けている=弱い=攻撃しやすい


でも、先ほどの最高水準のグループでは、同じように太鼓持ちの犬が吠えそうになったとき、その子の飼い主は即座に制御して、おとなしくさせていたけどね・・・。 辟易しながら次のグループへ。ここも普通のレベル。しつこく喧嘩を売ってくる犬を飼い主さんは制御できない。ここでとうとうチュー太郎は堪忍袋の緒が切れる。ド迫力で反撃に出たので、すかさずリードを横に引き制御した。そして、そのままでは可哀想だし、せっかく積み上げてきた調教が壊れ野蛮になり兼ねないなど、ここに居てもロクな事はないと判断し、結局早々に退出した。見ると相変わらず小型犬エリアには誰もいない。ルール違反だが日も暮れそうだしもうここには誰も来ないだろうとサッカーボールを持って入り、のびのびと遊んだ。おかげでチュー太郎も御機嫌になった。 ・・・ ボールは持ち込むし小型犬エリアには入るしと、実はこの日の一番のマナー違反者は私だったりして。


ドッグランで遊ぶ様子。完全マナー違反?





20140522_161934.jpg
リードを放され解放感に喜ぶチュー太郎

20140522_162412.jpg
二人に遊んでもらいかなり楽しかった模様

20140522_162416.jpg
元妻にすっかりなついている。20年前に20代だったから40過ぎのはずだが、最近の40代は若い

20140522_162423.jpg
広大な芝生がある綺麗な公園。 ・・・ もしかして、犬を放す人が多くてドッグランを作った?


 

第167話 子供を救った英雄猫

2014年05月20日 20:21

報道で見た人も多いと思うが、これは素晴らしい。昔、うちの猫が近所の犬に咬み殺された経験があるので、これがどれほど英雄的な行為だったか私には身に染みて分かる。動物の単なる条件反射的行為という専門家もいたが、そうじゃないからこれほど世界中を感動させているのだと思う。飼い主の子供を助ける為に、自分の命をも顧みず凶暴な犬に突進していく飼い猫が、果たして世界にいったいどれほど居るだろうか? 犬の反撃にあって噛まれればひとたまりもない。危険を素早く察知する猫たちが、そのリスクを知らないはずがない。あの猫の行為は、家族を守る為の、まさに命がけの突進だったのだ。そしておかげで幼児は救われた。ご褒美に一年分の鮭がもらえるそうだが、 シャケ? 現地ではシャケは、よほどの高級食材なのか?


それにしても、幼児の素足に容赦なく咬みつき、まるでゲットした餌を巣穴に運ぶように泣き叫ぶ人間の子供を引きずる狂犬。ぞっとする光景だった。駐車場に設置された監視カメラで偶然撮影されたこのビデオ、犬たちにとっては最悪のビデオだろう。愛犬家以外では、「犬とはなんと恐ろしい邪悪な獣なのだ」と思った人も多いのではないか。昔、犬に脚を噛まれて重傷を負い、おまけに愛猫を咬み殺された当時の私がこのビデオを見たら、犬への憎しみは頂点に達していただろう。では愛犬家となった今の私の目に、このビデオはどう映るのかといえば、信じがたい光景というのがまず第一印象。この犬は野良犬ではない。人間に育てられた犬なのに、人間の子供にあんな事するか普通?と思った。


しかし、飼い犬の一番の天敵は男児だという話を聞いた事がある。20年前から三代にわたってドーベルマンを飼ってきた経験からもそう思う。人の目が無いと、男の子はとかくちょっかいを出してくる。さぞかし犬たちのDNAには、それが刻まれている事だろう。外にはなるべく出さないようにしているチュー太郎は、そう何かをされた経験などないはずだが、やはり男の子を見ると吠える。すると小学生の男の子たちは「ウォンウォン」などと吠えて挑発したり、からかったりして反撃してくる。結果ますます吠えるようになるという悪循環。ちなみに女児たちは普通そんな事はしない。だからあまり吠えられない。男児も大きくなれば犬も反撃を警戒し、あのように襲うのはそう無いかもしれない。最も警戒すべきは、今回の事件のような、三輪車に乗っているような小さな男児だろう。もし近くに居たら、犬の飼い主は、その危険を十分自覚しなくてはなるまい。


20140517_133257_convert_20140520201032.jpg
世間で恐れられるドーベルマンだけど、猫可愛がりされるチュー太郎。まんざらでもない顔


ピアノを弾いている時もべたべたするふたり。チュー太郎は賑やかな曲だと騒ぐのに、穏やかな夜想曲とかだと何故か静まる。この演奏の5分間も全く騒がず!


 

第166話 カラス軍団の復讐

2014年05月08日 13:36

まるでヒッチコックの世界だった。恐ろしかった。状況はこう。朝8時ごろチュー太郎が庭をブラブラしていたところへ、何を考えたのか一羽の子供カラスが降りてきて無警戒にチュンチュン遊んだ。そこへ忍び寄る毎日鳥肉を食べているケダモノの陰。チュー太郎が、無邪気に遊ぶ子カラスを素早く襲い爪でゲットした。可哀想にその子は、ひっくり返って腹を見せた。その間わずか数秒。今まさにその丸いお腹をチュー太郎がかぶりつこうとした瞬間、私は慌てて「マテ!」をかけた。ピタリと止まるチュー太郎。子カラスは七転八倒しながら生垣に逃げ込み、何とか脱出した。良かった良かったと思ったが、それで終わらなかった。それからが大変だった。


ひとことで言って、とんでもない雰囲気になった。大きな群れだったようで、上空は、カラスの恐ろしい声に覆われた。威嚇も半端ではなかった。大型のカラスがこちらに向かって何度も何度も突進してくるのだ。ちょうど先日BS朝日で放送されたBBCの動物ドキュメンタリーで、カラスの知能が想像を絶するほど高く、さらに群れの中で知識が受け継がれるために、研究が始まった50年前よりも水準がずっと上がっているということだった。うちを取り巻いたカラスの群れの水準がどれほどのものだったのか分からないが、カラスと目が合った私の印象では、かなりのものだったと思う。「かんべんしてよ」、「チュー太郎にはちゃんと言っとくからさ」、「それにマテをかけて子供を助けたのはオイラだぜ」と私は怒り心頭の親カラス?に語りかけた。


そういえば数年前、ひとりで堤防を散歩している時、私は一羽の子カラスを助けたことがある。手すりに絡まっていて、そのままでは間違いなく死ぬことになりそうだった。そこで何とかしてあげようとしたのだが、複雑に絡まっていたしパニクっていて暴れるので、助けるのにずいぶん苦労した。たっぷり一時間ぐらいかかっただろうか。その時も大勢のカラスに囲まれた。最初は敵対的だった。「子供のカタキ」と誤解され襲われそうだったので逃げようとも思ったが、子カラスが可哀想だったので何とか助けようとした。するとやがて空気が変わり、こちらの意図が分かったのか喧騒が止み、驚くほど静かになった。固唾を呑んで救出劇を見ているようだった。そしてついに救出に成功した。子供は元気に飛び立った。その瞬間空気が一変した。その時の騒ぎを今も覚えている。カラスたちはいっせいに鳴きだした。あれは喜びの声だったと思う。


BBCの番組は面白かった。次回も楽しみだ。動物たちへの愛情が深まった人も多いだろう。私はひょっとしたらカラスに守られていたのかもしれない。何となく幸運が続いていたような気がする。あの日以来不思議なぐらいカラスを見かけなくなった。ま、仕方があるまい。そうだ、庭の木が3階建て位でかい巨木になっている。鳥たちのために放置してきたが、あまりにうっそうとしているし、これを機に、気分転換にバッサリ切り倒そうかな。

20140507_180952_convert_20140508132320.jpg
鳥食いのケダモノ。 ゲージから出してという顔

20140505_161902_convh20140508132108.jpg
ゲージから出てリビングで寛ぐ二人。キスされまくりの状態

20140507_180357_convert_20140508132240.jpg
とんでもなく大きくなってしまった庭の木。外から見た様子。鳥たちの憩いの場だったが