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第7話 トイレあるある

2011年01月30日 03:03

初夜の続き。初夜は完全介護のように・・としたのには、もう1つ理由がある。トイレ調教の為だ。まあ、ドーベルマンは、放っておいてもすぐに覚えると思うが、トラブルが無いに越した事は無い。いつ何をどれだけ体内に入れれば、いつどれぐらい出てくるかを観察すれば、排泄のタイミングは大体見当が付く。排泄の素振りを見せたら、吸収シートを持って行き、小の時は「ちっち、ちっち」と拍子をとり、大の時は「トイレあるある」と拍子をとる。運悪く、気づくと、トイレをしている最中だったら、「あ!」と声を上げて、プレッシャーをかけ、シートを持って行く。



既にし終わっている排泄物を見つけた場合は、今さら怒っても無駄というか、子犬には怒られる理由が分からず虐待になるので、宇宙人か野良犬が家の中に侵入してやったものとして、さっさと片付ける。この子の場合、確か数日で、排泄問題は解決したと思う。第一段階としてまず自分からシートの上でするように。次に室内では我慢させ庭の決められた場所でするように。最終的には、盲導犬のように、かなり排泄をコントロールできるようになった。これが出来れば、散歩時の粗相も無くなる。排泄コントロールは、犬も飼い主も、互いに、快適性がグッと高まる重要な項目だ。最初が肝心。最初に自由勝手気ままにさせると、あとの調教が難しくなると思う。



後年、この子が死ぬ少し前のある日、朝起きると様子が変で、何かしょんぼりしている。どうしたの?と聞くと、こちらを見上げ、申し訳なさそうな顔をしている。ひどい下痢になり粗相をしてしまっていたのだ。私は思わず彼を抱きしめた。「いいよ、いいよ、いいんだよ、そんなこと気にするなよ」と、慰めながら。 ・・・ 犬は、時折その純粋な心で、人間を感動させる。トイレ調教を忠実に守ってきた子が、最後の時にまで見せた私への気持ちに、私は涙が止まらなかった。



この子が亡くなった日は、排泄が全く出来なかった。この頃は、もう立っていられなかったので、私が支えながら、例のセリフ「ちっち」と「あるある」を言ってさせていた。この日、午前中何度か試したが出なかった。午後3時頃もう一度試したが、やはり出なかった。私はすぐにあきらめ、抱きかかえて寝床に向かった。だが実はその時、あの子は、私の期待に応えようと、一生懸命している最中だったのだ。そして、私の腕の中で、少し排尿し絶命した。おしっこが出た事を大喜びしている私に、まるで、「パパできたよ」と、言っているような、満足げな顔をして。

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可愛いチューちゃん。排泄に関しては、名犬だった。


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体を寄せてくるチューちゃん。私に対する安心感がうかがえる。



(※調教方法は、あくまで私個人の体験であり感想です。実践は自己責任でお願いします)


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第6話 調教の価値

2011年01月28日 03:03

今日、朝日新聞の、「ただ捨てられる命 犬・猫、殺処分を公開 松山の施設」という記事を読んだ。中には、人なつっこい子もいるというのに、年間30万頭近くも殺処分されるという。酷い話だ。人間の都合で「生産」され、人間の都合で処分される。犬たちには何の罪も無いのに、こんな事が許されていいのか?強い憤りを覚える。捨てられる大きな理由に、調教の失敗があるという。確かにそうだろう。鋭い牙を持つ肉食獣である犬は、調教ができていなければ、生きている凶器になりかねない。しかしこの記事によれば、「アホだから」と飼い犬を処分するよう持ち込んだのに、帰りに子犬を「譲ってくれ」と言う身勝手な飼い主も多いという。こうなると、「調教」が失敗しているのは、犬ではなく飼い主の方では?と思えてくる。



ま、そういう論外は別として、動物の調教について、少し考えてみる。馬の写真を見て欲しい。眉間の白い模様を見れば分かると思うが、どちらも同じ馬で、最初の写真は、購入して間もない頃。私もまだ若い。馬はまだ調教されておらず、非常に神経質でピリピリしている。人間に対する不信感や、怒りすら感じる。若いのに肌つやも悪い。乗ってもひどい暴れ馬で、自分勝手に暴走した。考えてみれば、実際プロでもマトモに乗れなかったこんな状態の馬を、よく素人に売ったものだと呆れるばかりだが、競技用の馬を別に持っていた私には、調教という楽しみを与えてくれた馬だった。



2枚目3枚目の写真は、その10年後だ。ほとんど毎日、一生懸命調教した。楽しかった。10年後は高齢だが、むしろ若く見える。私にとって最良のパートナーになっている事が、写真から分かるだろうか。互いに信頼と深い愛で結ばれていた、と言っていい。彼は、私がそばに居るだけで、穏やかな表情になった。もちろん乗っても最高の馬になっていた。私の指示を全て理解し、私の手足のようになってくれた。時には、彼には飛ぶのが難しい障害に向かっても、勇気を振り絞って、私の期待に応えようとした。本当にいとしい奴だった・・・。


飼い主が、勉強し、努力して、調教に成功すれば、馬や犬は、最良のパートナーになる。掛け替えのない宝物になる。未調教、調教不十分より、飼い主にとって百倍以上の価値が出る、ということを、「アホだから」と飼い犬を処分するよう持ち込む人たちに言いたいものだ。

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第5話 初夜

2011年01月26日 03:26

初めてプログを書き始めてまだ数日だが、早くも挫折しそうだ。ペット業界の暗部への怒りやら、金儲け主義で、誤診の連続で、おまけに手術にも大失敗の、あの獣医たちへの怒りやら、何より、ちびっ子を思い出すつらさに、気が滅入る。


今日は、久しぶりに酒を飲んだ。いつ以来か記憶に無いほど久しぶりに。やはり苦い酒だった。飲むと必ず死んだ子を思い出す。 つらい。


「チューちゃん、こーい」と、呼んでみる。生きていた頃は、うれしそうに、猛ダッシュでやってきた。そして、「チューちゃん、おりこうだね!」と褒めてやると、本当にうれしそうな顔をする。それが何よりも、いとしかった。


携帯に、山をハイキング中、美しい山並を携帯でビデオ撮影していたところ、ちびっ子がはぐれて居ない事に気付き、大声で「こーい」と呼ぶと、はるか彼方、山の向こうから、猛ダッシュでやってくるシーンが残っている。酒の勢いで、試しに同じように大声で呼んでみる。・・・さすがにあの世からは来れないか。幽霊でもいいから来て欲しいのだが。


さて、話は戻って、新婚?初夜だ。調教上この初夜は、意外と大事だ。よく、泣き癖が付くから、初夜は完全放置、どれほど泣いても一切無視した方がいい、というが、私は違うと思う。初夜がそれでは、犬の性格が悪くなる。犬と飼い主の間で一番大切なものは、愛のある信頼関係だ。もちろんどちらも、聖人君主ではなく気分屋で欠陥だらけだから、信頼を損ねるような行動や失敗を、お互い頻繁にする。だからこそ最初に、確固たる絆を作る必要がある。初夜だけでも、完全介護のような気持ちで、一緒に寝てやるべきだと思う。朝、目覚めると、愛くるしい目をしたちびっ子が居た。「おはよう」と声をかけると、可愛い声で返事をしてくれた事を思い出す。



ちびっ子の頃は、猫かわいがりでいい。調教はいつでも出来る。むしろ、そういう余裕ある大人な態度が、自然と子犬との上下関係を作り、調教をしやすくする。私が調教した2頭のドーベルマンは、両方とも瓜二つの性格になった。私と一緒の写真を見れば分かると思うが、目の表情が豊かで、非常に温厚で優しい性格になっている。大声で叱る事は、ほとんど無かった。しかし多くの事が、忠実に出来た。指示に従わず私を困らせるような事は、皆無だったと言っていい。私は長年趣味で乗馬馬の調教をしてきたが、知能が高く気まぐれで気難しい馬たちに比べれば、ドーベルマンは百分の一の手間で済む。まあ乗馬馬の場合、競技会の為に、高度な技を次々に叩き込まなければならない、という違いはあるが。

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踏み潰しそうで怖いが、初夜だけは特別に一緒にお寝んね。


 

第4話 純血種

2011年01月25日 02:48

前回で少し言い過ぎたのかもしれない。あの美人ペット屋さんには、何の責任も無い。彼女を怨むのは筋違いだ。悪いのは安易な交配をしたブリーダーだろう。いや違う。彼らも需要に応えただけだ。本当に悪いのは、「純血種」を求める客の側だ。人間に置き換えればそれがいかに不気味な生物か分かるはずだが、純血種を求める、すなわち、安易な近親交配を続ける風潮は、一向に収まらない。


英国公共放送BBCで何年か前に、それを強く警告するドキュメンタリー番組を見たが、警告されていた症状が、いざ自分の子の身に降りかかると、あまりの不憫さに、泣けてきた。おいおい写真をアップするつもりだが、痛々しくて、見るに耐えない姿に変貌していく。


なぜあの子が、人間が犯した罪を背負わなければならないのか。その理不尽さに私は苦しんだ。そして、次々に巨大化していく腫瘍に押しつぶされそうになっていた彼女(チューちゃん)に、ひたすら詫びた。そこには、ネットで適当に業者を選ぶ安易さで、雑種ではなく純血種ドーベルマンを選んだ自分がいた。


科学的な公式に沿って交配すれば、遺伝リスクは雑種とさほど変わらないほどまでに改善されるそうだが、はたしてどれほどの業者が、科学的知識を修得して、手間とコストと惜しまず正しく交配しているだろうか。先のBBC放送に寄れば、世界で最も先進的な英国ですら、合格点が与えられる業者は限られるという。チューちゃんのような悲劇を生まないために、購入する側の意識が高まることをひたすら願う。


信頼できるブリーダーを選ぶ。これにつきると思う。自分はいい加減な業者です、などと言う業者はいない。たいてい自分こそ最高の業者と宣伝するだろう。業者を選ぶのはメンドクサイから私のように運に任せる? 単純に安い業者を選ぶ? 次々に病気が発生すれば、へたをすると百万円ぐらいかかる。お金だけでなく、辛く悲しい思いも、おまけに付いてくる。面倒でも業者を選ぼう。それが飼い主の幸せへの道だし、業界全体のレベルアップにもつながると思う。

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それにしても小さい。いったい生後何日なのか? 親から引き離すのが早すぎるのでは?


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手のひらに乗るドーベルマン! んなアホな。


第3話 ようこそ、ちびっ子

2011年01月24日 03:02

購入したのは、ネットで検索して、適当に選んだ、知らないペット屋さん。前回もそうだったが、自宅に届けてくれるペット屋さんを選んだ。理由は、手間が掛からず、その方が安全だからだ。ちょっと想像してみて欲しい。子犬にとって、親兄弟から引き離され、知らない人の下へ連れて行かれるのが、どれほどのストレスになるかを。運ぶのに、細心の注意が必要なはずだ。子犬にとって見ず知らずの素人が、安易に出来る作業ではない。私から言わせれば、ペット屋さんの仕事は、ブリーダーからオーナーの下へ運ぶ、運送係といってもよいぐらいだ。


だから当然、ペット屋さんには強い圧力をかけた。「健康な子ですか?」と念入りに。案の定緊張した面持ちで経営者と思われる女性が運んできた。狙い通り、非常に慎重に運んできた事が伺われた。健康を確認のうえ、その場でお金を支払い、売買契約を済ませた。ここで彼女は、すぐに重大な病気が発生したら、返品交換可能なようなことを言った。親切心からか?当社はこんなに良心的ですよと言いたいのかな?と、私は不思議に思った。そんな理由で万一返品されれば、返品された子の運命がどうなるかは容易に想像が付く。だから彼女の言っている事は、実は相当非良心的なことなのだが、その点は、やはりプロの方はさばけているのだなあと、40ぐらいと思われる小ぎれいな、にこやかな表情の彼女の顔を見て実感した。



ついでに言えば彼女は、支払いと契約終了後、引き渡す際こんな事を言った。「これでもうこのワンちゃんは、あなたの物です。煮て食おうと焼いて食べようと、あなたの自由ですよ」と。嘘ではない。彼女は本当にこう言ったのだ。あの小奇麗な、にこやかな表情で。私は、一瞬絶句後、彼女と一緒に、あはははは、と、このつまらないジョークを、大きな声を出して笑った。私は、なぜ笑ったのだろう? 彼女の言葉が、実は冗談ではなく、彼女達にとっては、あくまで商材であり、食肉用の牛や豚と同じであるという本音が感じられて、その不気味な恐ろしさにたじろぎ、打ち消したかったのかも知れない。

ひょっとしたら彼女達は、処分したワンコ達を本当に犬鍋にして食べているのかも!・・殺処分して廃棄するのは生命に対する冒涜だが、美味しく残さずきれいに食べるのは、神の摂理で当然許されるからなあ~・・・などと、次々にアホな妄想をしながら彼女の顔を見ていた事に、おそらく彼女は気が付かなかったはずだ。



彼女は満足げにお金を受け取り、帰って行った。ぽつんと残されたちびっ子の寂しげな表情が、写真から伺えるだろうか。さあ、ここからは僕の責任だ。この子を幸せにしてあげなくては・・・。



ちなみに、この子は、すぐに、次々に重い病気に襲われた。こういうブランド犬にありがちな、度を越した近親交配からくる遺伝的なリスクによるもののようだ。前の子には、そういう事態はほとんど起きなかったのに、この子は、本当に可哀想だった。嫌な言い方をすれば、「ハズレ」というのか。もちろん、返品などしなかった。彼女からは頻繁に「ワンちゃん元気ですか~」とDMが来たが、彼女に言えば引き取られそうなので、あの日以後連絡を一切取らなかった。

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彼女が帰った直後の不安げな表情。まるで、ママ行かないで!と言ってるよう。


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はじめまして、と挨拶しているところ。


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おじさんいい人?怖くない?と、こちらを観察中。


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柔らかい膝の上で優しく休ませて安心させる。私の体温と鼓動を感じさせる。