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第30話 寛容

2011年04月04日 13:53

私は何事においても、寛容でありたいと思う。寛容とは、些細な事をあげつらうのではなく、「大目」に見、優しく見守る事だ。前話のピアノ伴奏版など、最初のモノに比べれば、犬の鳴き声やら幼児の鳴き声が入るやら、声が外れるやら、ひどいシロモノである。しかし、とつとつと歌うその木訥さに、心打たれる。 

先日NHKBSで、カルロスクライバーの特番をやっていた。音楽界の大物の息子で、アルゼンチン育ちで、軽快な演奏を好み、指揮台で華麗に踊る彼は、昔は、軽薄な指揮者と、少なくとも日本では見下されていた。私はそういう評論を何度も見た。ところがびっくり、今や日本では、伝説の名指揮者のひとりに祭り上げられている。後年本場欧米で評価が高まったこともあり、再評価されたのだ。私は当時彼をこき下ろしていた評論家たちを思い出す。なんて軽薄で偏った人達だったのだろうと。


その演奏を聴いた。ベートーベンの交響曲4と7だ。彼お得意の4は文句なしの最高の出来。だから非常に期待して、私の大好きな次の7を聴いた。 ・・・ ベートーベンの交響曲は、なんといっても第9。人類の永遠の宝といえる至宝の名曲。次に3と5、そして第7交響曲。3と7は、第一と第二の楽章が最上の素晴らしさで、残りの3楽章と4楽章は、それに比べれば軽い。特に第7の4楽章は、悪く言えばダンス音楽だ(クライバーに、ピッタリ!)。1楽章2楽章は、案の定、フルトベェングラー等の演奏に比べ、厳粛さに欠け、相当落ちる(あくまで私の主観)。私には聞くに堪えないものだった。テレビのスイッチを切ろうとしたが、しかし、まあこういうのもアリかと寛容な気持ちで聴き続けた。そしてそのおかげで、驚くほど素晴らしい、今まで聞いた事がない最高の名演の第4楽章を聴けた。非常に感動した。すると不思議な事に、先ほど酷評した第一楽章の演奏も、聴きなおすと、素晴らしい名演に聞こえてくる。評価が一瞬で変わる事を、私は身をもって体験した。

素晴らしいのひとこと。


こちらはその演奏直後のアンコール。彼のオハコ、「こうもり」。素晴らしい。



いま政府は、前例のない災害、500kmにもおよぶ(東京から関西までの広大な距離)震災に、限られた人員で、迅速な復興に直面している。だから政府や公務員の対応に、ケチを付けようと思えば、いくらでも付けられる。


さらに言えば、いま日本は、歴史上初めて、民主主義体制下の本格的政権交代が起きた時でもある。前例の無い、歴史的な時であることを、国民はもっと自覚すべきだろう。戦後に生まれた民主主義日本は、一貫して旧政権下の元で作られたわけだから、マスコミとの長年の付き合い、悪く言えば癒着を含め、隅々までその影響力は浸透している。国民はこの政権交代を、文字通り革命的な事態であることを、よく理解できていないのではないか。例えば米国なら、政権交代と同時に、多くの幹部官僚が職を失う。旧政権の支持者が幹部官僚では、省庁が機能しないからだ。日本ではそれが出来ない。菅総理の試練はそこにある。そこを考えれば、菅総理の努力は、際立っているのではないか。今日の毎日新聞の記事は大変印象的だった。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110404ddm001040085000c.html


渋る東電を説き伏せ、一刻も早くベントさせようとしていた菅総理の苦闘振りがこの記事から分かるが、国会では逆に、「原発のベント処置が遅れたのは総理のせいだ!」と自民党から罵られていた。これで多くの国民も、菅総理のせいでベントが遅れたと思っただろう。政治は結果が全てだという。現実にベントが遅れたのだから、今後も厳しい批判が沸き起こるはず。政権が早々に崩壊するかどうかは、国民の寛容さ次第だ。非寛容なせっかちさで首相をあげつらい、ころころころころ政権を変える状態が、国にとって良いはずがない。菅総理をクライバーの例に例えるのは、いささか早過ぎるが、では自民党中堅若手が大連立の条件に要求している自民党の首相による政権で、今よりどれほどの成果があがるというのか。ゼネコンとの長年の癒着が本領を発揮し、復興財源が食い物にされるだけではないのか。迅速な復興が一番と考えるなら、現政権への協力が先なのではないか、などと思う。


寛容でない人々が、現政権をこき下ろす意見をバラ撒いている。おかげで、そういう情報が、いま日本中に渦巻いている。その中には、メジャーなマスコミのモノまである。日本の最高権威のひとつ、日経新聞にまでそういう類のものがあり、私は非常に驚いた。さらにそこへ、誤報や憶測、デマまで加わる。先日ある人から、このブログに、非公開コメントが寄せられた。誤報を詫びる新人記者さんだ。ブログを始めて知り合った方だが、非常に聡明で誠実な人で、会った事もない人だが大好きな人だ。彼女のブログに私は、以下のようなコメントを入れた。


「重いテーマでしたね。参考までに、私の弟は仙台にいました。震災ど真ん中です。先日詳しく話を聞きました。震災からしばらく、冷たいおにぎり一個で、不眠不休で皆さんと共に、必死に取り組んだそうです。政府が何もしていないというのは、とんでもないデマだそうです。地元の役場で手におえる被害ではありません。しかも多くの役場は甚大な被害を受けています。国の手助けがなかったら、はるかに悲惨な状態になっていたでしょう。弟は自民党支持者ですが、現場にも来ていない東京の記者らが、自民党と一緒になって政府をバッシングにしている事に、非常に怒っていました。また政府が外国の医療関係者を拒否したというのもデマです。被災地では特例で医療活動を認めています。イスラエルのような大規模な医療団も活躍しています。阪神大震災の時は、外国の救援隊の受け入れがひどく遅れ、アメリカ軍の援助も事実上拒否し、後に大きな批判を浴びましたが、今回は即座に受け入れを決断し、1万人以上ともいわれるアメリカ兵が活躍しました。また、震災の時に贈られた物が無駄になる事は常にあることです。仕分けに膨大な人員が必要ですが、人が足りないのです。巨大な倉庫も用意しなくてはなりません。仕分けせず適当に送れば、被災地が大混乱になり、被災者に大きな負担を強いることになります。以上、参考になりましたでしょうか?」

(昨日の朝日新聞サンデー版「グローブ」で、阪神大地震の時と違い、素早く外国の救援隊や医療支援隊を、上手に受け入れた事を詳細に記されていた。私の言った事が裏付けられ、ほっとした)



これに対し彼女は、自分のミスを認め、反省を込めた文章を送ってきた。さすがだ。しかし、彼女ほど聡明な人物ですら、ネットに渦巻くデマに影響を受けている、その事実に私は恐怖を感じる。震災後の民衆心理は、最初が茫然自失、次に連帯感と団結、そして次が、強い怒りだ。そろそろそれが起きる頃だろう。今までのバッシングなど、まだほんの序の口だったのかもしれない・・・。

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日本の将来を心配する ちびっ子





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ドーベルマンは安全です

2011年03月21日 01:53

一般の方から最も誤解されている犬が、ドーベルマンではないでしょか。大きくて見た目に迫力があるので(特に断耳してある場合)、凶暴で危険な犬種と広く誤解されていますが、ドーベルマンは、たいへん賢く、しかも人懐っこい、安全な犬です。この震災に生き残って、家族を捜すワンちゃん達の映像を見ると、本当に胸が痛みます。その中には、ひょっとしたらドーベルマンもいるかもしれません。もし居たら、どうか危険視せず、普通のワンちゃんと同じように接してほしいと切に願うばかりです。以下の写真を見ていただければ、ドーベルマンがどれほど賢く、人間にフレンドリーか、分かっていただけると思います。


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注意力があり、利発なドーベルマン(11歳)

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大きくて見た目は怖いが、性格はおとなしい。

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思慮深い落ち着きを感じさせる温和なひとみ。

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声をかけたところ。人懐っこく、人の話をしっかり聞いている。

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こちらは別の若い子(3歳ぐらい)。若くても、とても利発なことが感じていただけるだろうか。





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嫌がらせメール殺到(苦笑)

2011年03月19日 01:55

一生懸命頑張っている自国の首相を、遠慮がちに少し称えただけで、脅迫や嫌がらせのメールがわんさかやってくる、そのメカニズムが私には理解不能だ。そこで今夜は、その中のひとつを紹介し、機械論的に少し洞察してみよう。

表面には出ないよう匿名コメントという手法を使って私に送りつけられてきたこの嫌がらせメールだが、IPアドレスが、本人を特定しやすい携帯電話だ。例えば私がこれを脅迫として刑事告訴し、それで得た送り主の個人情報をもとに、慰謝料支払いの小額訴訟を起こせば、裁判所の令状のもと、ほとんど費用も手間もかけず(印紙代5百円+切手代)この送り主を裁判所まで出頭させる事ができる。つまりこの脅迫メール送信は、少なくない賠償金(慰謝料)を取られ、脅迫罪で前科がつきかねない行為なのだが、そんな事は百も承知で送りつけているのだろうか、あるいは匿名だから何をしてもバレないと思っているのか、まずそこが問題だ。


前者なら、菅総理をほめる事は絶対に許さないという思想犯ということになる。後者ならネット社会でよく見られる類の人物ということだろう。彼の主張はようするに、「おまえはだまって犬の話でもしていろ」ということだが、しかし、そんな事を言われて、「はいわかりました」と普通の感覚の人が言うだろうか?「自分がそう言えば必ず従うはず」と思っているのだろうか?万能感が強くてそう信じているかもしれない。私のブログに対し、「つまらねえな」と乱暴な言葉を浴びせるところからも、自分中心の世界観を持つ自己愛性人格障害を感じられるが、おそらくそういう万能感だけでなく、自分の嫌いな菅氏をほめたことに対する復讐心からくる行動だろう。


こういう事は、匿名ネットの世界だけに留まっているのなら、特に問題ではない。しかし前話で紹介したとおり、メジャーなメディアにまでその悪影響が及んでいることに、私は強い危機感を持つ。粗暴で、自分の気に食わない人(あるいはそれを支持する人々)を、こきおろす、あるいは絶対に許さないという偏狭な頭。前話で登場する陰口男女に代表されるああいう風潮に、いったいいつからこんな社会になってしまったのだと、悲しい気持ちになる。ネットが登場するまでは、こういう事はなかった。あるいは、日本の競争力の源泉だった社員を大切にする伝統的美徳がなくなり、労働者の多くが不安定な非正規雇用で使い捨てにされるようになって以来、民心が荒廃してきたのだろうか。ならば、過度に自己責任論を振りかざす小泉改革以来のそういう風潮に、異議を唱える菅総理が、そういう人々からこき下ろされるのは、何ともいえない歴史的皮肉、笑えないジョークだと思う。


・・てな事を考えながら、節電の暗闇の中、今夜はひとり酒を飲んだ。日本の復興を願いつつ。ちびっ子の幽霊としゃべりながら。ちびっ子は、私が弾くシューベルトの子守唄が大好きだった。ピアノを弾き始めると、生きていた頃のように、私の足元へ来る気がする・・・。 おお、ちびっ子の肖像画が笑っている!!・・・ 

おっと、今日は意地でも「犬の話」はしないぞ~・・・てか。(笑)



不快な放送

2011年03月18日 02:49

極めて不快な放送だった。保守系メディアの、某女性アナウンサーが、うっかりマイクのスイッチを切り損ね、生中継で菅総理を誹謗、嘲笑する声が流れた場面だ。YouTubeにそのシーンが多数アップされているから、今更言い訳はつかないはずだが、当事者達は、ほおかぶりしている。聞いていて私も非常に不快だった。彼女は、いつも菅総理をこき下ろしている人物だが、私は言論の自由を非常に重視しているので、その事について異論は無い。しかし、こういう極端な感情を持って人を評価する姿勢は、公共の電波を使って発信する言論人、あるいは報道機関として、いかがなものか。あまりに低俗と言わざるをえない。




私の前回の投稿で、多くの拍手と励ましのお言葉をいただき、心強い限りだが、反面おかしな珍現象も起きた。このような事は前例が無いのだが、画面右広告欄のスポンサー企業の中に、前回の投稿をしたとたん、契約打ち切りを通告する企業がいた。統計学的に言えば、このような偶然はありえない。普通に考えれば、前回の菅政権を擁護する記事が気に食わなくて、そういう処置に出た、と考えるのが自然だろう。ブログをやっている人ならご存知だろうが、アフェなどは、それを目当てに提灯記事をやっている人以外には、あれを重視している人はいないだろう。ちなみに私が稼いだ額は、総合計で計算上わずか数円、10円にも満たない額だ。クリックは多いが、グーグル等と違いクリックで加算されるわけではなく、大半が購買額の数%というシステムなので、購入が無い限りゼロだ。消すのも寂しいし面倒なので放置しているだけ。こういう企業らの脅しは、全く無意味だよといいたい。


う~~ん、しかし、一部の人や企業には、前回の投稿がそれほど不快だったのか。第三者の立場で、公平に論じたつもりだったのだが。ならばあえて中立の立場を捨てて言おう。今回の菅政権の対応は、今のところ今までの政権では考えられないほど優れていると思う。特に際立っていたのは、昔から隠蔽体質で問題の多かった東電と、その情報を真に受けた多くの原発専門家の楽観論を一喝し、強い危機感で指導力を発揮した点だ。菅氏は理系の名門東工大の出で、反核左派に所属し、原発の危険性を調べつくしてきた専門家といえる経歴を持つ人物だ。今回の事故では、その見識が、無責任に楽観論を唱える東電らを動かす原動力になった。東電幹部らは当初、このような事態になるとは言っていなかった。もしそれを真に受けていたらと思うと、正直ぞっとする。


保守色の強い今の風潮では、菅氏のやる事なすこと気に食わない心情は分かる。しかし現に今、文字通り不眠不休で、総理として必死にこの国難と戦っている状況で、彼のアラを探してケチをつけるより、皆が一丸となるべきではないか、と私は思う。




皆 落ち着こう

2011年03月15日 18:46

恐れていた事態が、現実になりつつある。テレビ新聞を見れば、ヒステリックな論調が目立ち始め、スーパーへ行くと買いだめが起きている。○○等を山ほど買う人々を実際に見てきたが、どうか落ち着いて欲しいと思う。今回の災害は、未曾有の大災害だ。その被災地域の距離実に500km。西側に例えれば、東京から静岡、名古屋を通り越し、京都も通過し、大阪をも通り越す、途方も無く広大な地域が被災したのだ。毎日毎日水食料医薬品等々の支援物資が隅々まで行き渡る為には、膨大なエネルギーと強力なインフラが必要だが、道路を始め様々なインフラが甚大な被害を受けている現状では、物理的に極めて困難だ。人命救助を最優先に動いていた政府を、軽々に非難して済む問題ではない。それよりも、国民は今すぐガソリン等の買いだめをやめ、まず節約をすべきだろう。


今朝の読売新聞を見て私は驚いた。「菅総理はこの地震を利用して政治ショーをしている」などと彼を激しくののしっているのだ。そして記事の終わりに突然、この震災で何の成果も上げていない自民党総裁を称え、民主党の議員すら谷垣自民党総裁の政策を支持し始めている~と結んでいる。皮肉をこめて言えば、記者の意図が非常に分かりやすい、ある意味正直なagitationだが、果たして今そのような事をしている場合なのだろうか。念のために言うが私はどちらの支持者でもない。ただ、バランスを取る為にあえて菅総理を擁護すれば、この記事は前段で総理の説明不足を批判し、後半では総理の余計な説明があったために東電の説明機会が阻害されたと糾弾している。要するに彼をののしりたいだけで、建設的な批判とは到底いえない、と言える。


こういう事態になると、誰かをスケープゴートしたくなる誘惑にかられる。瀕死の現政権と菅総理などは、その格好の標的になるだろう。事実上日本初の民主主義下における政権交代をした政権だから、当然ながら旧体制下の有力者等から、激しいネガティブキャンペーンに晒される。平和な時なら、そういうショーも特に致命的とはいえないが、今は非常時である。そこを考えるべきだ。一部報道を見ていると、菅総理や政府の失言失態を、今か今かと待ち望んでいる様子が感じられ、とても嫌な気分になる。今日昼のあるワイドショーで、いつも民主党を罵倒しているあるコメンテーターが、汚染放射能レベルの単位を変えた事を、「数字を低く見せようとする民主党政権の卑きょうな誤魔化しだ」と大声で糾弾した。しかし、常識で考えれば、42万7千○○○g(グラム)とは言わず、427kg(キログラム)などと、単位を変えるのは普通の事だ。しかも単位を変えた事を断っており、卑きょうな誤魔化しとは到底いえまい。


複数の報道によれば菅総理は、水素爆発の映像がテレビで放送されてから、東電からその報告が官邸に来るのに一時間もかかった事を叱責したそうだ。また、危険なので社員を撤収したいという東電に対し総理は、「撤収などありえない、覚悟を決めてください」と復旧作業の継続を求めたという。これを一部報道機関は、「総理のスタンドプレー、震災を利用した政治ショー」などと激しく批判し、総理の人格攻撃までしている。彼らに掛かれば、どんな行為でも、批判の対象にされてしまうのだ。繰り返しになるが、平時ならそういうショーもいいだろう。しかし今、民心を惑わすそんな事をしている場合なのか。皆が一致団結すべき時ではないのか。


アナウンサー諸君にもお願いしたい。どうかゆっくりしゃべって欲しい。険しい表情で叩き込むような口調で話されると、国民の不安とストレスは増幅される。今こそ冷静さを促す報道を期待したい。