第238話 謎の腹痛をアレが解決

2017年05月26日 11:35

大きなドーベルマンといえども殺すのは簡単だ。子供の悪戯だろうか、絶対に勝手に食べ物を与えないでほしい。はっきりいって、もう怖くて庭に出せない。大型犬が珍しくなったのか、ドーベルマンを見たいのか、庭に出している時に、たまたま10歳ぐらいの男の子の集団が通りかかると、とかくかまってくる。奇声を張り上げて挑発したり、左右に走ったり。それならまだいい。しかし中には門に近寄って何かモノをあげようとする子までいる。子供たちを怒鳴りつけるわけにもいかず、経験上説得も難しい。優しい女性が諭すなら男の子たちは素直に聞くかもしれない。しかし私のような人相の男だと、何を言っても、うざく感じるだろう。

もう10数年前だろうか、先代のドーベルの時には、それで中学一年生ぐらいと思われる子供たちから、しつこく庭に空き缶を投げ入れられるという報復を受けた。先代はそれで危うく死ぬところだった。中身が残っている缶をかじってしまったのだ。あるとき投げ入れているところを現行犯で捕まえそうになったが、気の弱そうなその子は「すみませんすみません」と謝りながら逃げた。向こうにはその様子を嘲笑いながら見ている数人の自転車にまたがっている同級生らしき者がいた。

瞬時に、逃げているこの子は主犯ではなく、あの子たちにやらされているイジメられっ子と気づいた。追いかけるのをやめすぐに110番通報。パトカーと警察の姿を見させて陰から様子を見ているであろう連中を威嚇し、さらにはたまたま数日後にあった自治会の会議にこの被害を訴え、運よく数人の愛犬家が同席していたおかげで大きく取り上げられ、学校や保護者会にも通知されるようになった。効果がありそれ以来ピタリと悪戯は止まった。



今回チュー太郎が謎の激しい下痢を起こし、原因の様々な可能性を探った。家中をひっかき回し、何か失敗が無かったか、危険物質が転がっていないか、あるいは例えばチョコレートや玉ねぎを食べた時にキスされていないか等々。ここでいつも思うのが、下痢を止めるために断食療法をすべきか、体力を保つ為に食べさせるべきかだ。数日断食させればすぐに治るとよくいわれるが、本当だろうか。前にそれをやった時、無残なほど痩せこけてしまった。あれでいいのだろうか。もし有害物質が胃腸の中にあるのなら、いっぱい出させた方が良いのではないだろうか。

便を詳しく調べたところ、未消化の得体の知れない物が有った。1ミリ角程のサイコロ状の野菜だ。タマネギかも知れない。その日もう一つの発見は家から数十メートル離れた場所に食べ残されたファーストフードが捨ててあったことだ。物証と合致する状況証拠から、おそらく前日誰かが善意なのか悪意なのか知らないがこれをチュー太郎に与えたのだろう。

ターゲットは絞られた。そこで今回私の判断は、断食は止め、与える物はリスクを避けドッグフードのみにし、通常よりやや量を少なめにして様子を見た。だが一向に改善されない。そこでチュー太郎の大好物のトリガラ(手羽の先)に切り替えた。しかしそれも効果なし。むしろ下痢が酷くなってしまった。過去にこれで解決した事があったので困った。乳糖が心配だったので乳製品もやめていた。結論から言うと、これが大きな間違いだった。

ある時ハッと気づいたのだ。その頃チュー太郎の屁の臭さに閉口していたのだが、毒で壊れた腸内フローラの再生が必要なのではないかと。私には強力な武器があった。30年ほど前に母からもらった自己増殖力が非常に強い強力なヨーグルトだ。なんでも友人の友人の大学教授がカスピ海地域の長寿村から持ち帰ってきた物だという。チュー太郎もこれが大好物だ。種菌を牛乳に混ぜるだけで条件が整えばすぐに発酵し、非常に美味しいヨーグルトが出来上がる。これに出会うまでは私は胃弱ですぐにお腹を壊す方だったが、この30年間、胃腸が入れ替わったように丈夫になった。何を食べても美味しい。モリモリだ~と、まあおかげでデブになってしまったが。胃弱の頃は痩せてガリガリだった。

チュー太郎にまたこのヨーグルトを与えるようにした。するとあら不思議。ピタリと下痢が止まり元気に。劇的に変わったのが、あの酷い匂いだった屁が、臭くなくなったのだ。なんという素晴らしいヨーグルトなのだ!私は母の遺影に向かって手を合わせ「かあちゃんサンキュー!」と礼を言った。遺影が微笑んだような気がした。

元気のないチュー太郎と元気なチュー太郎
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第237話 ドーベルにありがちな悲劇

2017年05月11日 18:21

ある女性が、子供が生まれた息子夫婦と同居することになったとしよう。同居を前提に息子が購入した中古物件は、田舎で敷地は500坪。家も旅館のように広い。女性は有り金を息子に提供し頭金とした。夫はいない。一人で暮らしていた女性は、数年前、生活のパートナーとしてドーベルマンの子犬を迎えた。そのドベ君は女性によくなつき、今や女性にとってかけがえのない存在になっていた。どれほど大切な存在かは、同じように一戸建てに住む単身者でドーベルマンと暮らす私には痛いほどわかる。自分の命と同じぐらい大切な存在だ。彼女も同じだろう。

ラブラドルレトリバーを飼っている息子さんは大型犬でも対処できるある程度の自信は持っていただろう。しかしドーベルマンとはわけが違う。ドーベルマンは自分の命と同じぐらい家族を大切にする。しかし人間とは家族の定義が違う。飼い主の息子やそのお嫁さんや孫といっても、小さい頃に一緒に暮らしていなければ赤の他人である。外部の者に対しては強い警戒心を持つドーベル。息子達はどうすればドベの家族になれるのか。途中から家族になる為には、家族テストに合格しなくてはならない。ドーベルマンの場合これはかなり困難な作業である。深い知識と細心の注意が必要で一般人には難しいだろう。ましてお嫁さんが犬が苦手な人なら極めて難しい。

息子さんは自信たっぷりにドーベルマンの調教を始めたようだがすぐに断念。ドーベルマンとは一緒に暮らせないと母親に通告。さて、母親には既に家も資金もない。愛犬を連れて路頭に迷うのかそれとも・・・

こうすれば良いと思う。まず第一に孫の安全対策だ。孫が大きくなるまでゲージ越しに毎日対面させ、いつの日か餌やおやつをあげられるようにする。幸い女の子なので犬への攻撃的な悪戯はしないだろうから、すぐに家族認定が下りるはず。ドーベルマンから家族認定されれば、女の子にとってこれほど頼もしいボディガードはない。

問題は調教もどきをやってしまった息子さんと、犬嫌いな嫁さんだろう。互いになかなか心を開けないだろう。何かの拍子で軽く歯が当たってしまっただけで子供の安全を名分に処分を迫ってくるかもしれない。そこで穏やかな隔離策を取るのはどうだろう。どのみちドーベルマンは24時間活動しているわけではない。うちのチュー太郎を見ていると、活動したがるのは朝夕せいぜい1時間程の合わせて2時間程度だ。あとは私の横でべったりくっついて丸くなっている。幸い500坪もの広大な庭がある。放てば外敵を警戒し猛然と走り回るだろうから、これで運動量は十分だ。散歩は、テリトリー活動用に5分程外を歩くだけでよい。引っ張られればすぐにUターンしこれを繰り返す。

では残りの22時間はどうするか。リビングに、あるいはその傍に、とにかく家族の見える場所にゲージを用意し、その中に入れておけばよい。そして彼女はなるべくゲージのそばに居てあげる。そして彼女の部屋(寝室)にもゲージを用意してリードの付け外しができるようにして部屋の出入りを安全にし、部屋では解放して二人べったりを楽しむ。この部屋で一緒に寝るのも良い。そうすれば二人っきりの時と同じような生活も可能だろう。やがて時が解決して、息子夫婦も家族と認められるだろう。ドーベルマンの寿命は短い。天寿を全うする頃には、すっかり大切な家族と認められているはずだ。不審者を素早く察知し命を顧みず家族を守ってくれるドーベルマンが居なくなったとき、皆そのありがたみを悟るに違いない・・・

家では私の傍にべったりのチュー太郎
DSC_1247.jpg DSC_1248.jpg DSC_1246.jpg DSC_12411.jpg 庭では頼もしい番犬に
 


第236話 鰻蒲焼の頭を食べたら

2017年05月05日 12:05

最近読んでいる愛読書に、カントの「純粋理性批判」がある。内容はまた何か別の機会にでも書くが、その影響だろうか、昨夜ウナギのかば焼きを食べているとき突如、いつも厄介な生ゴミとして捨てていたウナギの頭を、チュー太郎にあげようと思い立った。ア・プリオリな総合判断だw。チュー太郎は自分の好物でも出てこない限り、あるいはその可能性があると判断しない限り、むやみにキッチンには来ない。私は単身者なので作った料理をそのままキッチンで食べる。対面式キッチンのおかげでリビングのテレビが見えるし。また皿にも盛らずフライパンあるいは中華鍋等でそのまま食べることが多い。緑色や赤色の食材を足して料理の彩はこだわるが、お皿に綺麗に盛り付けたところで、たとえ一人でもその喜びがあったとしてもそれは瞬時に終わる。むなしいだけだ。おかげで洗い物はほとんど出ずキッチンはいつもピカピカ。こちらの方が重要だろう。

さて、鰻の蒲焼だが、犬に与えてはならないレッドリストには入っていない。生の鰻ならおそらくレッドだろう。蒲焼は人間が食べても良いぐらい十分加熱されている。蒲焼のタレはどうか。成分を調べてみるとソース類と違いネギ類のエキスのような危険物質は無く、少し心配な物もあったがそうたいした事はない。小骨はどうか。人間が食べれは刺さりまくる。しかし犬の場合、ほとんど咬まず飲み込むから、あのサイズでは刺さる余地はないだろう。胃に入ればすぐに消化される。実際のところ全く咬まず飲み込んだ。小骨の存在を察知し自分の判断で飲み込んだのだろうか。お座りしていたからそうなったのかもしれない。エサ入れであげれば当然つかむために咬まなくてはならないから危ないかもしれない。

与えたのは昨夜7時ごろ。今朝9時の便はどうだったかというと、理想的な物だった。多様な物を食する方が同じ物ばかり食べるより健康にプラスな可能性が高い。かなり美味しかったようで、蒲焼が入っていた容器とラップを名残惜しそうに凝視していた。チュー太郎のおやつの種類が一つ増えてメデタシメデタシ。しかもそれは今まで厄介な生ゴミになっていたもの。この季節これはありがたい。ところで私が食べる蒲焼の身の方はどうだろうか。脂が多いので犬には良くないだろう。たとえ良くてもあげませんよーあれは僕の物。フィシュロースターを数年前に買ったのだが、両面を同時に遠赤外線で焼くこれは優れもの。もうお店で食べる必要はない。へたするとお店で食べるより美味しく焼ける。よく作られていてお手入れも楽々。今やパンもウィンナーもコロッケもピザもこれで表面カリカリのふっくら焼き焼き。数千円で買った外国製の安物家電だがベリーグッドだ。

5月らしい新緑が美しい良い天気
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第235話 テレビがヘイトまみれに

2017年04月25日 12:26

人が嫌悪や怒りを覚える時というのは、痛いとか寒いとか暑いとかいう直接作用する反応と違い、複雑な工程を経る。例えばある事柄について不安感が強い人と全く不安が無い人とでは、反応が違う。不安感が強い人の方が怒りを爆発させやすい。些細な事でもすぐにキレる。その結果相互に嫌悪が増幅あるいは発生する。

歴史を見れば明らかだが、為政者にとって民の隣国への嫌悪や怒りの増幅は、望外な政治的利益をもたらす。某国の不安を煽り立てる日米首脳。米国の民からは相手にされなかったが日本では大成功。酷いスキャンダルも吹き飛ばし政権の支持率がV字復活だ。米国の、政権を遠慮なく厳しく批判するマスコミの存在と、権力を前に「そんたく」する日本のマスコミの違いがあろうが、何より隣国かそうでないかの違いなのだろう。

小泉元首相が、たぶん部下だった安倍を念頭に言っていたと思うが、小選挙区制に大反対していた。今でいうネトウヨみたいな連中が権力を握った時どうなるか、独裁者が必ず生まれると。国民に隣国への不安を煽り立てれば容易であることを見抜いていたのだろう。ドイツ国民は隣国から復讐される不安は持っていない。だが歴史修正主義が蔓延る国では民は無意識のうちに不安感を持つ。極右政治家にとってこれほど美味しい話はない。

マスコミにとっても美味しい話だろう。新聞は売れ、視聴率はあがり、執筆者も出演者も政治家と同じように隣国への不安を煽り立てれば立てるほど利益を得られよう。特にテレビ界は、今の政権に露骨に電波使用の許認可権をちらつかされ生殺与奪の権を握られている事を思い知らされ、政権への「そんたく」は、この利益とあいまって、より増幅される。

テレビを見ると隣国への不安を煽り立てるものばかり。結果嫌悪や怒りで老若男女出演者皆隣国の話になると顔をしかめる。それがさらに隣国への嫌悪を煽り、挙句の果てには「〇〇人が何万人死のうが関係ないが日本人に被害が出るのは困りますよね」などという意識が生まれる始末。かくしてヘイトは大成功。政権支持率は最高水準だ。トランプはさぞ羨ましがっている事だろう。

美しい花と可愛いチュー太郎。その純粋さに心を癒される
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第234話 犬にしてはいけないこと

2017年03月26日 18:02

他人からされて嫌な事はあるだろうか?当然誰にでもあろう。暴力や暴言、意図的な無視ネグレクトは勿論のこと、過干渉や過度な接触、気安くベタベタされるのも嫌なものだ。人間同士なら言葉にして嫌がることが出来るが人間対犬の場合どうなるだろう。犬は数万年もの人間との付き合いで色々学んできた。勘違いしている飼い主に飼われている犬は、自分の命に係わるので、ただひたすら耐えるしかない。犬とは比較にならないほど巨大な動物、体重500㎏にもなる気難しい馬たちに高度な馬術を覚えさせるためにご機嫌を取りながら宥め賺して調教してきた経験から言えば、犬たちの忍耐力の強さは驚くべきで、特に私が飼っているドーベルマンという犬種の飼い主に対する愛情の深さには、感動すら覚える。

だから私の犬との接し方は徹底している。殴らない、怒鳴らない、無視しない、過干渉をしない、である。過度な接触だけは、飼い主特権で若干やらせてもらっている。先日珍しく我が家に猫を連れた客人が来たが、吠えたてることも無く、「なんてやさしいワンちゃんなの」とお褒めの言葉をいただいた。そんな魔法のような調教が出来るはずないと思われるかもしれないが、事実は今までこのブログで書いてきた通りだ。ヒントとして調鞭の活用がある。勿論相手は犬だから長鞭ではなく短鞭。普段からドーベルマンの長い首を、先端を外した鞭で叩いて首をほぐしてやる。けっこう勢いよく強く叩いてもここは気持ちが良いようだ。うっとりして「もっとやって」という顔をする。しかし!鞭の威力はよくわかるようで、これでお尻をペンペンしようとすると逃げ回る。だから何かに興奮して暴れ馬状態になっても、私が鞭を持って構えた瞬間ビシッとお座りする。

ところで先日見た動画で、多分アメリカでの出来事だと思うが、警察犬のジャーマンシェパードが担当官の目の前でテレビのレポーターの顔を咬むという恐ろしいシーンがあった。当然大騒ぎになり、ワンちゃんは困惑した顔で担当官の方を見ていた。私はワンちゃんに同情を禁じえなかった。一番悪いのはこの担当官だろう。レポーターは、絶対にやってはならない事をいくつも仕出かしていた。それをあろうことか放置したのだ。警察犬に必要な技術を教える達人かも知れないが、愛玩犬アニマルセラピー犬用の調教はその真逆なので、そちら方面の知識は全く乏しかったようだ。

あなたがもし親しくもない他人から自分の体の触られたくない部分をしつこく触られたらどんな気持ちがするだろう(頭は犬にとって他人に触られたくない部分)。また、その男に自分の顔を特に目をずっと見られたらどうだ。そして不気味に上からどんどん近づいてくる。これは馴れ馴れしいとか無礼とかいうレベルをはるかに超えている。女性はもちろん男性でも強い恐怖を感じるだろう。ましてこの子はセラピー犬ではなくその真逆の訓練を受けている犬だ。私からセラピー犬用訓練を受けているうちのドーベルマンなら、こんな事をされても耐えられるかもしれない(もっとも傍にいる私がレポーターにそんな真似はさせないが)。あのワンちゃんからすれば、正当防衛的当然の行為をしたまでなのに、「やはりケダモノ」的な汚名を着せられ気の毒な話だな、と私は思った。レポーターのケガが回復して良かった。ひと咬みで人に大けがを負わせる可能性のある大型犬。扱うには細心の注意と知識と経験が必要だ。飼い主の責任は極めて重い。

DSC_0842.jpg 散歩中私にベタベタしてくる可愛いチュー太郎